宮部


宮部みゆきへの質問と回答

Part 4

Q43〜Q62


Q43 『ドリームバスター』の最後に To be continued とありましたが
本当に続くのですか?(富士)
A43 続きます。全6巻の予定ですが、完結まで10年ぐらいかかりそう
なので、気長にお付き合いいただければ幸いです。
Q44 『R.P.G.』のあとがきを読みまして、この小説はミステリー小説としては
ルール違反をしてる…とのこと。
私には、よくわかりませんでした。どの部分がどうしてルール違反
なのか、教えてもらえませんでしょうか?(だし巻)
A44 後書きに書きましたとおり、「地の文に真実ではない記述がある」
ということです。人名にご注意ください。
Q45 ソロモンの偽証(新潮社)の発売予定を教えてください。(T−TOMY)
A45 ごく内輪の担当者しか知らないはずのタイトルまで指定しての
ご質問とは、T−TOMYさんは出版業界の方なんですね(笑)。
しかし、こういう話がどこから漏れるんだろう?
出版時期は未定です。5年以内には出したいと思っています。
Q46 クイズをしようと思い、問題を作成しました。
その中に、「直木賞作家・宮部みゆきのデビュー作は?」というものが
あり、試しに何人かで解いてみたら、回答が「パーフェクト・ブルー」と
「我らが隣人の殺人」の二通り出てきました。文庫本の著者紹介には
「パーフェクト〜」と書いてありましたが、ネットで引くと、どちらも載って
いました。が、圧倒的に「我ら〜」が多かったのです。
日外の有料データベースでは、デビュー作までは載っていませんでした。
果たして、宮部さんにとっては、どちらがデビュー作なのですか?
(似非らいぶらりあんT)
A46 「オール讀物」誌上に掲載された短編「我らが隣人の犯罪」が
デビュー作(短編集としての『我らが隣人の犯罪』ではありません)で、
『パーフェクト・ブルー』は最初の単行本ということになります。
Q47 『地下街の雨』の中の『決して見えない』に関しての質問です。
私は甲南大学文学部日本語日本文学科の3回生です。
『決して見えない』をゼミの発表で使わせていただきました。
この作品のラストについて、ゼミ内で意見が分かれてしまったんです。
1つは悦郎のみた夢のなかの男が語った運命の黒い糸に関する2つの
エピソードに従うと、夢を見たのが悦郎であることから、悦郎が男の
死神であるという意見です。
もう1つは夢の中で男が何度も「私は運が悪い」と言うことと、男が
自分は悦郎の死神であると言うこと、そして、p72の夢から覚めた悦郎が
「自分が死ぬ夢なんて〜縁起でもない。」と、悦郎に自分が死ぬという
認識をあたえていることから、男が悦郎の死神であるとい意見です。
私の意見は後者だったんですが、本当はどういうことなのか教えて
いただけないでしょうか? お願いします。(パク)
A47 わたしは基本的に、小説に関しては、読み違いや誤読というものは
あっても、「正しい読み方」というのはないんじゃないかと思っています。
特に娯楽小説で、お取り上げの「決して見えない」みたいな、いわゆる
"奇妙な味"の短編では、解釈が分かれた方が楽しい。
ですから、どちらも「本当」ですよ。
Q48 いつの間にか家にあった(笑)『R.P.G.』を読もうと思ってるのですが、
『模倣犯』と『クロスファイア』の刑事さんが出てくるということで、両方を
読んでからのほうが楽しく読めますか?
それとも特に関係ありませんか?(ときわ)
A48 独立した作品ですので、独立してお楽しみいただくことができると
思います。で、もしお気に召しましたら『模倣犯』と『クロスファイア』も
どうぞ(笑)。
Q49 つい先日『R.P.G.』を読破いたしました。武上刑事に再会できてとても
うれしかったです。
さてさて、質問は『R.P.G.』に出てきた「カチューシャの愛」という映画の
ことです。この映画は実際に存在するものなのでしょうか?
それとも宮部先生の創作?
もし実在するのならぜひ観たいと思ってますので、教えてください!
(なおちゃ)
A49 『カチューシャの愛』という映画はわたしの創作で実在していませんが、
この架空の映画をこしらえるとき頭にあったのは、中国映画の
『初恋の来た道』という作品でした。もうDVDも出ていると思います。
Q50 先日、光文社刊『白のミステリー』の中に収められている『弓子の後悔』
という作品を読ませて頂きました。解説にSF的連作小説の第2話と
ありましたが、第1話は何というタイトルでどの雑誌に収められていたの
でしょうか? また、今後この連作をまとめて単行本化される予定は
無いのでしょうか?(shiko)
A50 単行本化の予定はありません。申し訳ございません。
重々反省しております(いつもコレだよ)。ホントにごめんなさい。
Q51 『ちちんぷいぷい』の他に、対談集の出版予定はないのでしょうか?
特に、今は亡き藤沢周平さんとの対談があったと聞いています。
ぜひ、読みたいのですが。(ISTUPEI)
A51 対談集の予定はありません。また、とても残念に思っておりますが、
わたしは藤沢先生にお会いしたことがありません。もちろん対談させて
いただく機会にも恵まれませんでした。先生が亡くなったとき、
皆川博子さん、杉本章子さんとご一緒の追悼の座談会をしたことが
ありますが、その情報が誤ってお耳に入ったのではないでしょうか。
Q52 宮部さんの作品が多くの人の共感を呼ぶのは、生活感あふれる
人々が主人公として選ばれ、感情移入しやすいからだと思うのですが、
同時に身の毛のよだつような悪役を配するうまさにもびっくりします。
悪役の造詣にはやはり、自分の中のアンフェアなことに対する"憎しみ"
のような感情が反映されるんですか?(Dr.K)
A52 「アンフェアなことに対する憎しみ」というご質問の意味がちょっとわかり
かねますが、作品中に登場する邪悪な人間や意地悪な人間は、
間違いなく著者の一部です。少なくともわたしの場合はそうです。
Q53 『模倣犯』を今読ませていただいています。実はその中に出てくる
視覚障害が私の親せきの子の状況にそっくりなのです。
それで両親に詳しく教えてあげようと思うのですが、正式な障害の
名前があったら教えていただけないでしょうか?
ご両親は知能障害だと思っていますが、私は彼がしっかりした事も
言うのでそうではないと思っていました。
ということで、正確なことが分かったらご両親にも教えてあげたいと
思います。よろしくお願いします。(ドラエモン)
A53 『模倣犯』のなかで、登場人物の一人である高井和明を苦しめる
視覚障害は、完全にわたしの創作したものではなく、ヒントとなった
視覚障害が現実に存在しています。
ただ、小説のなかでは、実在するその視覚障害の症状や原因を、
忠実になぞって描写をしているわけではありません。
高井和明というキャラクターは、子供のころに、「自分の目に見えていた
ものが、他人の目に見えていたものと同じではなかった」という体験を
したことで、他者に対する深い優しさを抱いた大人へと成長していく
ことができたのだ――という小説的な奥行きを持たせるために、必要な
部分を取り出し、あるところは想像でふくらませ、あるところは説明を
ごくごく単純化したりいたしました。
ですから、繰り返しますが、確かに実在する視覚障害がヒントになっては
いますが、この部分全体としては、創作と考えていただいた方がよいと
思います。

小説のなかで、この視覚障害の名前を明記しなかったのも、そのため
です。実在する名称をあげてしまうと。わたしが描写した(小説としての
創作の入った)症状や原因と、実在するその視覚障害の名称とが、
セットになって一人歩きしてしまう危険を感じました。
また、だからといって、架空の病名をつけてしまうと、今度は別の混乱が
起こってしまうかもしれないとも思いました。
この視覚障害のエピソードのくだりで、現実に存在する医療機関や
大学の名称や、医学的・数値的なデータを登場させなかったのも、
同じ理由によるものです。
「ドラエモン」さんのお役に立つことができず、本当に申し訳ございま
せん。同様のお問い合わせを、他にも数件いただいているようですが、
そうした質問をお寄せくださった皆さんは、「なんだ、あてにならない作り
話か」と落胆されることでしょう。
わたしとしては、甘受するしかないご批判ではありますが、深くお詫び
申し上げます。

その上で、どうぞ、『模倣犯』のなかにあるこの視覚障害の描写だけを
基準として、現実の切実な健康に対する懸念に、早急なご判断を
下されることがありませんよう、切にお願い申し上げます。

なお、2002年3月に角川書店から刊行された『脳のはたらきの
すべてがわかる本』(ジョン・J・レイティ著 堀千恵子訳)という本の
第2章「知覚」というところに、似たような珍しい視覚障害のケースが詳述
されています。
この本は科学ノンフィクションですから創作が混じっているという心配は
ありませんし、著者のレイティ氏は医学博士ですので、アメリカでの実例
ではありますが、ご参考になるかもしれません。
Q54 「ICO」というゲームを小説化したいとおっしゃっていましたが、
実際作家の方から「小説化したいのです」と頼んだりする時というのは
あるのでしょうか?(ヨルコ)
A54 『ICO』の場合がまさにそれで、ソニー・コンピュータ・エンタテインメントへ
許諾をいただきに伺いました。
わたしに関しては、今後もこういうことは大いにあると思います。
ノベラゼーションを続けていきたいので。
Q55 『ドリームバスター』の表紙&挿画!山田章博先生のファン(17年来!)
でもある私としては感涙ものでした。以前からお知合いなのでしょうか?
それともゲーム繋がりとか・・・?(まあにゃ)
A55 わたしも以前から山田章博さんの絵に憧れていて、挿絵や装丁画を
いただけたらどんなに嬉しいだろうと思っていたのです。
『ドリームバスター』では、その念願がかないました!
で、先日初めてお目にかかることができまして、ホント感激でした。
Q56 私は、いしいひさいち氏の「ののちゃん」に出てくるミヤベくんが
お気に入りですが、モデルになったご感想は?(きょん)
A56 もう嬉しくって嬉しくって! ミステリー作家にはいしいさんのファンが
多いですから、自慢しまくっています。
仕事場に、いしいさんにいただいた直筆の「ミヤベ君」を飾ってあるん
ですよ。
Q57 とある所で広まっている噂なのですけれど、宮部さんがマンガ家の
「杉崎ゆきる」さんと同一人物だとか? 本当なのでしょうか…。
だとしても驚きませんので、ぜひぜひ真相は……?(中ちゃん)
A57 わたしはマンガ全般にたいへん疎くて、恐縮ですが「杉崎ゆきる」さん
という作家の方を存じ上げません。つまり、わたしではないです。
こういう噂には、先方がお気を悪くされたり、迷惑がかかる可能性も
ありますから、ご注意くださいね。
わたしにもマンガを描く才能があったらいいなぁと思いますが、
ないのよねぇ、全然。
Q58 宮部先生はキューブの『ピクミン』がお気に入りのようですが、同じく
キューブのソフトで任天堂のキャラクター達が格闘する
『任天堂スマッシュブラザーズ』はおやりになられたのですか?
先生のお好きな『ゼルダ』シリーズのキャラも出ているので。
(あ!『メトロイド』のサムスも!)どうなのでしょう。
凄く気になります。(わおん)
A58 『スマッシュ・ブラザーズ』はプレイしていませんが、
「サムス」復活の新ゲームの噂には胸をときめかせています。
Q59 宮部さんはFFシリーズではどれが一番お好きなのでしょうか?
また、幻想水滸伝は108人もいてパーティ決めは大変苦労すると
思うのですがよろしければラストパーティを教えて下さい。(やまぽち)
A59 わたしは「FF」シリーズの忠実なファンではありません(なにしろ
ゲーム暦が浅いので)が、どれかひとつを挙げるなら「7」ですね。
「6」も好きですが、難易度が高かった!
特に「狂信者の塔」が辛くて……。

『幻想水滸伝』のラストパーティ
「坊ちゃん、ビクトール、フリック、クレオ、クロウリー、ルック」
 標準的じゃないですか? 本当はパーンと、復活したグレミオも
連れて行きたかったんだけど、魔法キャラが2人欲しくて……。
ラストバトル直前のフィールドまでは、クロウリーの代わりにお師匠様の
カイを入れて、「師弟攻撃」をばんばん出してました。
どんどんパーティメンバーを入れ替えられるのが「幻想」シリーズの
魅力ですが、クレオには可能な限りパーティ入りしてもらいました。
カスミにもけっこう働いてもらいました。だって健気なんだもん。
鍛冶屋さんたちご一行を全員連れて行ったこともありますが、
そのパーティでは、(ミヤベの腕前では)さすがに勝てませんでした。

『幻想水滸伝U』のラストパーティ
その1「ビクトール、フリック、ゲオルグ、主人公、ルック、ヨシノ」
その2「マイクロトフ、カミュー、ペシュメルガ、主人公、メイザース、リイナ」
その3「ビクトール、ゲオルグ、主人公、ツァイ、トモ、ルック」
3パターンのうち、実はいちばん楽しかったのが「その3」。
ツァイさんとトモの父娘が好きなんですよ。後衛で「返し刃」や
「倍返し」の紋章をつけとくと、強いし。
ラストバトルだけでなく、ロックアックス城攻めのときなんかも、連れて
ゆくメンバーとポジショニングによって、主人公たちに誰がどんな台詞で
声をかけるか、微妙に違ってくるでしょ?
いろいろ試して楽しみました。ま、おやじキャラが大好きなミヤベは、
ゲオルグ様に「気をつけろよ!」なんて言われるのが嬉しいのよね。
「3」では56歳になっているはずのゲオルグ様とは、いったい何処で
会えるのでしょう♪
Q60 『模倣犯』読みました。メッチャ面白かったです(1日で読んでしまって
もったいなかった…)。これを機会に宮部みゆきファンになろうかと
考えているのですが、ファンクラブなどはあるんでしょうか?(氷虫)
A60 ファンクラブはありません。
作りたいというお申し出をいただいたこともありますが、お気持ちだけ
有り難くいただいて、丁重にお断りしました。今後もその方針です。
Q61 大変失礼かと存じますが…
小林幸子さんに似てるって言われませんか?(どりあん)
A61 失礼なのかな? ありますよ。
ただ、もっと痩せていた若いころの話です(笑)。
今のわたしが似てるっていったら、それこそ小林幸子さんに失礼に
なるんじゃない?
Q62 小・中学校時代の作文コンクールなどでもよく受賞されていたので
しょうか?(R)
A62 一度もないです。


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