All


三人の作家たちへの質問と回答

Part 5

Q116〜Q135

Q116 生まれかわっても作家になりますか?(まこ)
A116 宮部「生まれかわりません」
京極「それは私のセリフです!」
大沢「おいおい、いきなりネタかよ…」
Q117 大沢さん以外のお二方にお聞きします。
いつか独立しようと考えていますか?(Mountain)
A117 宮部・京極「お考え違いをなさっているようですが…」
大沢「本当は俺がふたりの奴隷なんだよ!」
宮部・京極「…それも違います」

※『株式会社大沢オフィス』は三人の共同出資で設立した会社です。
Q118 皆さんの名前は、本名なのですか? もし違う場合は、自分の名前を
作品に使った事がありますか??(ももんが)
A118 大沢「本名です。名前を使ったことはありません」
宮部「本名ではありません。名前を使ったこともありません」
京極「本名ではありません。名前を使おうと思ったこともありません」
Q119 ペンネームを変えたい時はありますか?
また、それはどんなペンネームですか??(KIN)
A119 大沢「質問の答えじゃないけど……
   売れなかったころ、ある女性に言われたことがあります。
   『私、推理小説がとっても好きなの。きっとあなたの本も
   読んでいると思うわ。なんていうペンネームなの? 
   おしえて"大沢さん"』って」
京極「…練りに練られた話ですねぇ」
宮部「きっと何年もかけて!」
スタッフ一同「…よくできたネタだぁ」
大沢「実話だよ!」
Q120 執筆の時に必ずする『ジンクス』はありますか?(和威)
A120 大沢「この場合、執筆儀式ってことかな?」
京極「ありません」
宮部「あります」
大沢・京極「(声をそろえて)テレビ体操!」
宮部「体操もするけど…パソコンに話しかけるの。やらない?」
大沢・京極「やらないやらない!」
宮部「『今日も頑張ろうね』とか『おはよう!』とか?」
大沢・京極「言わない言わない!」
宮部「私は毎日言うけど…」
大沢「俺は書き出す前に、巣鴨のトゲヌキ地蔵で買ってきた
   すごく使い心地のいい"耳かき"で耳をほじるのと…
   チョコレートを一個かならず食う」
京極「仕事を始める前…かぁ」
大沢「ずっと仕事で、パソコンの電源を切ることもないんじゃないの?」
京極「そうなんですよ。始まったり終わったりしないの。パソコンは
   いつも電源入れっぱなしで、私は椅子に座りっぱなしでって、
   またネタじゃん!」
Q121 小説をお書きになるゆえ、家に辞書は何冊おありですか?(なでこ)
A121 大沢「そうとうあるよ」
京極「ありますねぇ」
宮部「使っていないものまで含めるとかなりある」
大沢「国語辞典、漢和辞典、現代用語辞典、逆語辞典、類語辞典、
   あと百科事典まで含めると…」
京極「百科事典まで含めたら200冊ぐらいありますよ!」
大沢「そこまではないけど(笑)」
宮部「あけたこともない国史大事典も入れると…」
京極「国史大事典まで入れたらもっと増えちゃいますよ!」
大沢「いわゆる言語辞書。現代用語辞典を含めて言葉の意味を引く
   ということでいうと…10冊ぐらいかな」
宮部「私はそこまでないなぁ。机の上にあって、ぱっと手に取れるのは
   3冊」
京極「机の上だと…妖怪辞典!」
Q122 よくマラソンの選手などが、ランナーズハイっていう所謂ノッテル状態に
なるといいますが、先生方もライティングハイみたいに、どこまでも
書き進んでいく状態になることがありますか?(まあしい)
A122 大沢「長編の最終部分になるとそういったハイになることはあるけど、
   あえてブレーキをかけて書くのをやめる。ハイになりすぎて、
   自作に酔い始めると危険だから」
京極「ハイになって書いても、ろくなもん書けませんから」
宮部「真夜中のラブレターみたいになっちゃう」
大沢「8割酔ってても、2割醒めてないとダメだろうね」
Q123 ご自分の作品を後で読み返したりすることはありますか?
結構、恥ずかしかったりするものなのでしょうか??(ナウ)
A123 大沢「そんなときもあります」
京極「一応プロだから、恥ずかしくても恥ずかしいとは言えません」
宮部「自分で書いたものなのに犯人がわからないときは、恥ずかしいと
  思うの」
大沢・京極「なんじゃそれ!?」
宮部「書き終わると筋を忘れちゃうの。そうすると読み解けないの。
   推理ができないの」
大沢・京極「…」
Q124 自分の小説に出てくるキャラに対して、「こんな奴、実際にはいねーよ」
とか思ったりしません?(たけこ)
A124 京極「思ったりしません!(キッパリ)」
大沢「そういわれると、あとのふたりが答えにくいんだけど…」
宮部「そうそう…」
Q125 それぞれの作家の登場人物がリンクする事は可能ですか?
鮫島が捜査途中で眩暈坂に行くとか!
青木淳子が京極堂に行くとか!(念仏のまさ)
A125 大沢「ないだろうなぁ」
京極「時代が違うし」
宮部「遊びとして、楽しそうですけど…」
三人「今のところ予定はありません」
Q126 担当編集者に期待するものを、ズバリ一言で。(tnisiki)
A126 大沢「いい女のいる飲み屋をみつけること」
京極「勉強してね」
宮部「…ないなぁ」
京極「あっ、僕も本当はないんですけど…『勉強してね』というのは
   某社の約一名に対してだけです」
大沢「じゃあ、際限のない接待交際費とかは?」
宮部「からだ壊すってば!」
Q127 私は、趣味程度に小説を書いています。しかし、友達などに見せると、
その場の情景が分かりずらいと言われました。
どうしたら、どうしたら分かりやすく書けるのでしょうか?(銀)
A127 京極「趣味程度に書かないことです」
宮部「趣味で書くならそんなこと気にしないことです」
京極「…いいフォローありがとうございます」
大沢「映画のワンシーンを文字に置き換えるつもりで書いてみたら」
京極・宮部「やーさしーい!」
大沢「いいじゃん!俺はいつも悪役だから」
宮部「あと、テレビのトーク番組の会話を原稿におこしてみると
   けっこう会話の勉強になるかも。さんまさんの話し方を言葉で
   書こうとするとどれだけ難しいことか…」
Q128 アシスタントになりたいです。どうしたらいいですか?
何か一つポイントがあるとしたら教えてください。
こちらかなり真剣です。(もも)
A128 大沢「ポイントは美脚。チャーミングポイント」
宮部「それはポイントじゃなくて趣味です!」
京極「作家にアシスタントは要らないでしょ。何するんですか?」
大沢「資料集めたりってことじゃない?」
宮部「大変な仕事だよぉ」
大沢「言っとくけど、作家はみんな変態だしわがままだからね」
宮部・京極「みんなかどうかは…」

※三人とも執筆に関わるアシスタントはいません。
 募集もしておりません。変態でもないと思います。
Q129 年間読書量はどのくらいですか?(助作)
A129 大沢「わかんないよそんなの。数えたことない」
京極・宮部「(数えたこと)ないない」
Q130 本の帯は捨てる派ですか、捨てない派ですか?
僕はなんか邪魔なので捨ててしまいます。(ダムダム吉田)
A130 大沢「捨ててしまう」
宮部「栞に使います」
京極「とっておきます。本の一部ですから」
Q131 日記など、つけていらっしゃいますか?(円訶)
A131 大沢「つけてません。むかし日誌はつけてた。誰々に会ったとか」
京極「つけてません」
宮部「生まれてこのかた一回もつけたことはありません」
Q132 漫画は好きですか?(オミ)
A132 京極「好きです」
大沢「好きです。漫画の原作もやってたし」
宮部「あんまり読まないから…でも好きな作品は大好きです」
Q133 今、流行りの新古書店問題についてどう思われますか?(ニック)
A133 大沢「そんな…簡単に答えられないよ」
宮部「そうねぇ。推理作家協会で統一見解を出さなきゃならないし」
三人「…という訳で、パスです」
Q134 プロの作家さんが書かれた作品のキャラクターと世界をそのまま
持ち込みつつ、パラレルなお話を創作する「同人誌」というものに
対して、作家の皆さんはどのような感想をお持ちなのでしょう?
ここで言う同人誌は、いわゆる「二次的著作物」に当たると思うのです
が、その存在は許容できますか??(あずき)
A134 大沢「このてで一番かかわりがありそうなのは厨子王だよね」
京極「同人誌というのは"同人のあいだでのみ回覧する雑誌"という
   意味があるので、そういうサークルの中でのみ機能する形で
   あれば、作ること自体には何の問題もないと思います」
宮部「楽しんでください、ということよね」
京極「それらは基本的に「読者の発言」ですから、どんなことを書かれ
  ようと、何にも言うことはありません。
  読んだ人の感想なんですから…」
大沢「コミケとかで売ったりするのは?」
京極「一般商業誌と同じような扱いをされるのであれば、権利の侵害で
   あるとみなされてもしかたがない。利益を得たりすることに関しては
   出版権の侵害を含めたいろんな問題が出てしまうと思いますし」
大沢「…法的措置を検討することになる。じゃあ、無料だからといって
   ネットで発表するのはどうかな?」
京極「同人誌よりは公共的な形ではあるけれどもこれも同じでしょうね。
   でもお金を取らないわけだから、小説を読んでこう思ったという
   感想を発表するのと同じですね。ただ…ネットには私的なものを
   公的なものにすりかえる目眩しがあるし、現状では儲けている人が
   いるわけで、それはちょっと自粛していただきたい。
   でないと、そうでないところも含めて規制をしなくてはいけなくなる。
   そうなると、楽しく感想を述べ合うこともできなくなり、それはそれで
   窮屈になってしまう。
   モラルを持って自分達で楽しんでいただきたいですね」
大沢・宮部「…同感」
Q135 97年に文士劇「ぼくらの愛した二十面相」で、名演技を披露された
そうですが(BSでも放送されたとか)、私のように見逃してしまい、
残念に思っている人はたくさんいると思います。ビデオの発売・TVの
再放送の予定はないのでしょうか?(結麒)
A135 大沢「日本推理作家協会でビデオを発売していました。問い合わせて
   みてください」



← Part4へ戻る  Part6へ進む →



このページの先頭に戻る


トップページに戻る
トップページに戻る