週刊大極宮

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- 第430号 -

2010/1/15

HEADLINE RUMORS 〜 風のウワサ

数えずの井戸

 この厚さらしい。

この厚さ

燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー

直木賞

 第142回芥川賞・直木賞の選考会がおこなわれ、オイラにとってはデビューも同じ年で冒険作家仲間でもある佐々木譲さんが『廃墟に乞う』で直木賞を受賞されたのでお祝いにかけつけました。
 話をしていて驚かされたのは、譲さんが初めて直木賞の候補になったのが第100回(『ベルリン飛行指令』)で、それからなんと20年以上経っての受賞であったこと。もしかしたら最長記録なのではないか。
 でも譲さんは初候補の翌年、『エトロフ発緊急電』で第3回山本周五郎賞を受賞。当時オイラは“永久初版作家”の時代で、次々と仲間たちがそういった大きな賞をもらっていくのを横目で見ていて、譲さんもその内のひとりという認識があった。
 だけどテレビのインタビューで、「自分は置いていかれたような気分がしていた時期もあった…」というようなことを言われるのを聞いて、ああ、みんな同じようなことを感じるときがあるのだなあという思いをもった。
 譲さんのことでオイラが一番おぼえているのは…19年前に『新宿鮫』で吉川英治文学新人賞の受賞が決まった夜、譲さんはちょうど対談をしていたという船戸与一さんと一緒にお祝い会場の銀座のバーにあらわれて、ちょっと照れくさそうにバラの花を一本くれたこと。
 譲さん自身はそのときのことを覚えていなかったみたいだけど、オイラは鮮烈に印象として残っていて…今回の受賞にかけつけたわけです。
 そのあと選考委員のひとりだった安寿もあらわれ、そのままカラオケに場を移して盛り上がりました。
 ちなみに…かけつける際、今度はオイラがバラを…と一瞬思ったのですが、あれからいく星霜…アラフィフとアラ還がバラというのもなぁというわけで、やめておきました。

安寿のがまぐち 〜 宮部みゆきのコーナー

ゲーム女の生きる道

 今週はお休みさせていただきます。

arrow 厨子王の逆襲 〜 京極夏彦のコーナー

◎今週のできあがり◎

 なんだかずいぶん前に書き終えた印象がありますが、『数えずの井戸』(中央公論新社)がとうとう完成。
 この業界、慣例的に新刊見本は担当編集者が持参するということになっているらしいのですが、僕は「宅急便でいいですよー」と、いままで訪問をお断りしてました。手間ですしね。そんな気を遣ってくれなくてもいいですからということで。
 でも、「いっしょうけんめい作ったんですから手渡しくらいさせてくださいよー」といわれ、「ああ、そういう考え方もあるのか」と考えを改めまして、今回はそうして貰いました。
 ところが重くて見本全部は持ってこられなかったという(笑)。ほらねー。わはははは。
 いずれ手作り感の高い本になりました。いろんな人がいっしょうけんめい作ってくれたことは確かです。
 書店に並ぶのはもう少し後かと。
 
 同じく中公の「中央公論」に「オジいサン」、「小説すばる」(集英社)に「虚言少年」の、それぞれ第四話が掲載されております。
 来月は『冥談』(メディアファクトリー)の刊行が予定されてます。
 ちょうどただいま書きおろし中。

◎今週のおめでとう◎

 先日、真藤順丈くんの結婚式が盛大にとりおこなわれました。
 おめでたいことです。そんなわけで、お声を掛けていただきましたのでお祝いにいってまいりました。

式のあと

 ↑これは式のあと。式のほうに参列された方々も大変な数でありまして。記念写真も何度撮ったか。業界の連中は遠慮して最後の一枚。新郎新婦も疲れております。
 新郎新婦および出版関係者は顔出しですね。
 ご覧になるとおわかりでしょうが、ご友人やご親戚の方々とはあきらかに違っている出版関係者ども。
 何しろ参列したのが僕、福澤徹三さん、松村進吉さん。角川ホラー文庫部長やら幽編集者やら。妖怪怪談ホラーもろもろ。とても結婚式には相応しくない凶悪な面構え。しかも新郎をはじめ、坊主率高し。
 で、披露宴。

披露宴

 いっておきますが、組関係っぽく見えるのはこの一角だけでした。
 このアングル以外は、とてもなごやかな、素晴らしい結婚披露宴でございました。ここだけダークゾーン。
 と、いうか式にいなくて披露宴にいる男がひとりいますね。
 ええ、「期限はみんなハードルだ」と、いろいろ飛び越してしまうことで有名な平山夢明さんです。
「京ちゃんも式出るだろ?」「テツもちゃんと来なよ」「あ、タッちゃん、いま家出るからさ」「えーと、近くにはいる」
 こないじゃん自分(笑)。
 来賓祝辞担当だというのにすべりこみ。式場の進行係さんが青くなったり白くなったりしておりましたが。
 これ以外の逸話は怖くて書けません。おそるべし平山伝説。
 いずれにしましても、四賞のほかに奥様も獲っちゃった真藤さん、今後の活躍に期待しております。
 おめでとうございました。

◎今週の少しさみしい◎

 昨年末、講談師の田辺一鶴さんがお亡くなりになりました。
 一鶴さんは水木大先生ともご縁の深い方でありまして、Oh!水木しげる展・江戸博開催の際には、新作「水木しげる半生記」や未完成の「妖怪軍団修羅場」などをご披露していただきました。
 その後、「妖怪軍団修羅場」は研鑽に研鑽をかさねられ、「一鶴節いまだ健在」と、オールドファンを喜ばせ、新たな講談リスナーの開拓にも成功する定番演目となりました。
 もう生で聞けないかと思うと、残念でなりません。
 昨年末、訃報を耳にした丁度その時、僕は「必殺仕業人・第十四話 あんたこの勝負どう思う」を観ておりまして。
 この作品には若き日の一鶴さんが町の将棋指しの役で出演されております。「ああ一鶴さんヒゲがまだ黒いなあ」などと思っていた、まさにその時に報せがあったわけです。ほんとうに驚きました。
 そして。
 同じく昨年末、俳優の奥村公延さんもお亡くなりになられておりました。
 奥村さんは、「巷説百物語・芝右衛門狸」のドラマ化であります「怪・隠神だぬき」に芝右衛門役で出演してくださいました。その際にお会いして、ずいぶんと感激いたしました。
 もとより、特撮ファン、時代劇ファンには馴染みの深い俳優さんでありますが、僕の場合、何より印象に残っておりますのが筒井康隆さんのお芝居「ジーザス・クライスト・トリックスター」でありまして。
 実は、学生時代、東京に出て来て初めて観たお芝居がこれだったのですね。奥村さんも出演されておりまして、前の方にいた僕のすぐ目の前までいらっしゃいまして。
 ほとんど初めてナマで間近に観た俳優さんが奥村さんだったわけであります。
 まことに残念です。
 ちなみに、奥村さんの訃報を耳にしたその時、僕は「雲霧仁左衛門」を観ておりました。奥村さんは寝牛の治平役でレギュラー出演されておりました。この治平が僕は大好きでした。
 前述の「怪」に出ていただいた折に、奥村さんとからむ事触れの治平役が谷啓さんで、「あ、ダブル治平だ」と、僕はこっそり思ったものです。そんなですから、やっぱり驚きました。
 さみしいです。

 ご冥福をお祈りいたします。

編集者Sのウラ情報

賑わいます……

 昨日、第142回芥川賞・直木賞の受賞者が決まりました。皆さんご存知の通り直木賞は、佐々木譲氏、白石一文氏。芥川賞は無しということで。ここ数日のうちにお二人の受賞作や既刊が書店店頭を賑わすことでしょう。
 店頭を賑わすというと、今週末あたりからTOPでも案内の通り、「大極宮フェア2010」が並び始めます。未読の物がありましたら、お買い上げいただけると嬉しいです。
 また2009年5月に発売し、北条司氏、小畑健氏、荒川弘氏のオリジナルイラストが話題になったセブンイレブンとの共同企画書籍「ペーパーバックスK」の第2弾が、東京近郊で15日、地方によっては18日から販売を開始します。前回は関東地区のセブンイレブン全店舗でしたが、今回は全国展開です。その分、お店が限定されています。「イチ押し」のページで販売店舗リストをご覧下さい。

ペーパーバックスK

 この企画はコンビニで手軽に小説に親しんでもらいたいという意図で始めたもので、大夫の「男物語」は鮫、ジョーカー、アルバイト探偵、佐久間公といったキャラクターが総登場です。安寿の「怖い話」は時代ホラーを集めたもの、厨子王の「爆裂薔薇十字探偵」はおなじみ榎木津が活躍します。いわば三人の入門書といった趣で再編集されたものです。
 熱心な「大極宮」ファンの方には新鮮味がないと思いますが、「大極宮フェア」ともども周りの方に勧めていただけるとありがたいです。

まるひの秘書ヒショバナシ報

今週の厨子王原稿メール件名

 私の彼は左大極宮
 なるほど。目指すところは昭和アイドル歌謡曲シリーズですか?

かぶりつき

 前号のウワサで思わせぶりに書いた「大極宮フェア2010」の目玉賞品とは、今年の秋におこなわれる自作朗読会の最前列席チケットのことでした。
 かぶりつきですよ、かぶりつき。三人の息づかいまで直接感じられそうですね。いつも本番が観られないスタッフとしては、うらやましい限りです。
 当選された方には、昼の部か夜の部かお好きなほうをお選びいただけます。ただし、会場までの交通費は自己負担でお願いしますね。
 そんなわけで、いよいよ始まる「大極宮フェア2010」を、よろしくお願いいたします。

朝からアセった

 更新日の今日、朝イチで厨子王からオフィスに電話がありまして。
 メールサーバーがダウンして、送受信ができなくなっているとのこと。えええっ!
 厨子王の原稿は毎回メールでもらっているので、こりゃ大変です。
 メールの原稿をプリントアウトしてFAXで送ってもらうという方法も考えたんですが、今回は写真添付アリ(真藤さんの結婚式のですね)なのでそれは無理。
 しかも昼過ぎには取材で出かけてしまう厨子王。どうしましょう!?
「いざとなったら、CDに原稿と写真を焼いて持っていって、(同行している)オーツカくんにオフィスに届けてもらうですよ。なんてアナログな方法! わははは」
 なーんて厨子王は笑っていましたけどね。バイク便ならぬオーツカ便ですか(笑)。
 その後なんとかメールが届きまして、今週号の原稿が無事に掲載されました。オーツカ便も出番がなくてよかったです。
 とにもかくにも朝からアセった一日でございました。

ノリノリ編集後記

電子書籍

 当サイトの「ケータイ配信」でもお知らせしておりますが…
 京極さんの最新作『数えずの井戸』をケータイサイト「Booker's」で分冊連載配信(期間限定)しております。
 全体を11分割していて、1月15日現在、分冊第6巻まで配信中です。半分をちょっと過ぎたあたりまででしょうか。
 もちろん課金有料での配信なのですが…なんと分冊第1巻だけは無料(通信料はかかります)。単行本でいうと2章分、60頁以上の分量になります。
 携帯電話の画面で小説を読んだことのない方、ぜひこの機会に試してみられてはいかがでしょうか。
 地方新聞連載時に小説と一緒に掲載された葛飾北斎の挿絵も完全網羅されてます。それも全てカラーバージョンで。彩色は“京極夏彦 with FISCO”。この挿絵…携帯画面のバックライトで浮かびあがって、新聞掲載のときよりはるかに美しいですよ!
「Booker's」の『数えずの井戸』特集ページのQRコードはコチラ。

QRコード

 単行本発売前にちょっと立読み気分でどうぞ。
 なお、地方新聞連載時のかたちをとっているので、近々発売になる単行本とはほんのちょっとだけ構成が違っています。
(「コミックバンチ」新年会で“ドクター中松”氏を見かけました。靴はふつうでした…ノリ)

アンケートから

統一性のモンダイ

◆あけましておめでとうございます。
 誤字ではないかもですが、気になりましたので。
 京極センセイの「目差した」は「目指した」の方ですか?
(どちらも辞書にあるので見慣れてるかどうかの問題ですが)
 まるひさんのコーナーの「今週の厨子王原稿メール件名」では「目指しているのやら」とあるのでもしや? と思った次第です。
 今年もよろしくお願いします^^

・いつもご指摘ありがとうございます。「目差した」も間違いではないのですが、統一をはかるためにコッソリ「目指した」に直しておきました。今年もよろしくお願いいたします〜♪(まるひ)

ペーパーバックスK

◆15日発売の「宮部みゆきの怖い話」とか「大沢在昌の男物語」とか「爆裂薔薇十字探偵」ってなんですか!?
 たまたま講談社のサイト見てたら発見?したんですけど、新刊情報の所になかったので気になります
 というかまだ宮部さんの怖い話はいいとしても『男物語』って、『爆裂』薔薇十字探偵って。
 詳細を教えて頂けると嬉しいです。
 見つけたらすぐに購入しそうです。

・S氏も書いていますが、それはセブンイレブン・講談社・大沢オフィス共同企画のオリジナル書籍「ペーパーバックスK」のことです。詳細は「イチ押し」のページをご覧くださいませね♪(まるひ)

- 第430号 - 2010/1/15