週刊大極宮

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- 第408号 -

2009/8/01

HEADLINE RUMORS 〜 風のウワサ

ぴよぴよのタタリ

 ついに人間にも及んだらしい。

燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー

日本推理作家協会

 夏の懇親会が開かれました。オイラにとっては理事長をはずれて最初のパーティー。気楽に傍観者をきめこんでの出席です。
 厨子王の司会で始まり、東野圭吾新理事長の挨拶に続き、乾杯の音頭をとったのは直木賞を受賞されたばかりの北村薫さん。
 その北村さんは挨拶で、「ある新聞の埼玉県民版の記事に“かつて埼玉県で高校の先生をしていた北村さんは、当時はランニングシャツにハチマキ姿で授業をしていた”というエピソードが紹介されていましたが…そんな先生はいるわけないでしょ」と否定されていました。
 そこでオイラも、今をさること15年前…直木賞をいただいたとき名古屋の新聞に、“大沢さんは陽気に騒いで、クラスの人気者だった”という記事が載ったのを思いだしました。「そんなことありえねえよ」と読んだものです。北村氏の話を聞いて、どこも同じだなあと思ったしだい。
 懇親会の後は、各社編集者と銀座に流れて楽しく飲みました。

 …っと、ここでゲームの話をチラッとしましょう。
 PSP版の『幻想水滸伝』1、2をクリアし、今はDS版の『ドラクエ』新作にハマっております。
 モンスターが過去の作品と比べると様変わりしている印象がありますが、やっていて飽きない。主人公が天使というのがなんとも微妙な感じなのですが…果たしてこの先どうなるのでありましょうか。

 …でっ、来週はいよいよ小倉にお邪魔いたします。トークショーの前日に福岡でゴルフをやる予定も。
 ただし、先日の集中豪雨のこともあって、九州北部あるいは中国地方のみなさんがはたして無事にトークショーに来ていただけるかどうか心配でもあります。
 今夏の気象はちょっとどこかおかしいようで、東京でも梅雨が明けてから梅雨が始まったような奇妙な天気が続いています。
 みなさま、どうぞご自愛していただきたいと思います。

安寿のがまぐち 〜 宮部みゆきのコーナー

ゲーム女の生きる道

 今週はお休みさせていただきます。

arrow 厨子王の逆襲 〜 京極夏彦のコーナー

◎今週の恠異学会◎

 園田学園女子大学において、公開講座「文化フォーラム・怪異学の可能性」が開催されました。
 パネラーは斎宮歴史博物館の榎村寛之さん、それから化野燐さん、ワタシ。司会は園田学園女子大学の 大江篤さん。
 園田学園女子大学では2006年から毎年、大江先生主導による「怪異学セミナー」が行われております。
「怪異学への招待」に始まり、「怪異学の愉しみ」「怪異学の探求」、そして本年が「怪異学の可能性」。
 これは、タイトルからもわかる通り、東アジア恠異学会・編の三冊目の単行本・『怪異学の可能性』 (角川書店)を踏まえたフォーラムであります。

怪異学の可能性

 インフルエンザの影響で休みが削られ、ほぼ通常の授業が行なわれていたというにもかかわらず、たくさんの方々にご来場いただきました。ほぼ満席。
 まず、榎村先生から「怪異学」のこれまでとそして現状が、東アジア恠異学会の八年間にわたる活動成果を踏まえた形で報告されまして、それを受けて化野さんが妖怪まわりのあれこれを図などを用いてまとめられて、さらに僕が今問題にするべき点や今後 の課題などを述べ……と、僕の場合はまあそう美しくはまとまらないわけですが、この形だと榎村さん が古代・中世、化野さんが近世・近代、僕が近・現代パートと、まあそう綺麗にも区切れないもんでもあるのですが、とりあえず、そのような割り振りで進めることができるだろうと、そういう段取りでございました。
 それぞれが話した後にディスカッションという運び。
 みなさん、かなり真剣に耳を傾けてくださいまして、ありがたいかぎりであります。

フォーラムまっさいちゅう


 お二人とも講義馴れしていらっしゃる方なので、とてもスムーズに進行することができました。壇上の僕も楽しく学ばせていただきました。
 聴講していただいたみなさん、お世話をしてくださったスタッフのみなさん、どうもありがとうございました。

 終了後は、久しぶりに久禮旦雄くんや高谷知佳さん、木場貴俊くんなど恠異学会のみなさんと懇親。姫路から香川雅信さんも駆けつけてくださいました。
 しかし。僕らは腰を落ち着けることができませんでした。ええ、とっとと移動しなければならなかったのであります。なぜなら……。

◎今週のお化け大学校◎

 はい、世界妖怪協会プレゼンツ「お化け大学校・開校式」が太秦の京都キャンパス(東映太秦映画村)で行われるからであります。
 そんなわけで京都に移動。あれこれと打ち合せ。打ち合せ後(というか深夜ですね)、なぜか山田誠二さんのお宅で秘密の会見があったり。それはまた別の話。

 で。明けて当日。
 水木しげる総長の命を受けまして開校式に臨みますのは、荒俣宏さん、怪編集長郡司聡さん、そして水木プロから原口尚子さん。で、僕。
 開校式で水木総長の「理念」をそこねたりしてはいけませんから、それぞれかなり緊張しておりました。何しろ初めてのことですし、それにテレビ新聞と取材陣も大勢来ている模様。
 リハーサルを終えまして、僕はといえば緊張をほぐそうと、壁に掛けてあった刀を持ったり抜いたりしていたわけでありますが(いや、遊んでたわけではないのですが←遊んでただろう)、荒俣さんが 「あ、それですね」とおっしゃいまして。
「???」となったわけですが。荒俣さんいわく、「マジメにバカなことをする。先生も生徒も目線を同じ高さにする。いっしょうけんめい無駄なことをする。そういう場所だということを身をもって示すんですよ」と、いうことで。
 で。
 荒俣先生は長刀を。そして新撰組の法被を。さらに髷ヅラに、笠まで!!

体を張って示しましょう

「これで体を張って示しましょう」
 ということに。
 たしかに、世界妖怪協会は「間口は広く敷居は低く、奥行きは深く底は浅く」が基本。お化けは格差も差別もありません。教授とかいってもちっとも偉くないぞ、ということですね。
 そんなわけで、僕もそのまま日本刀を持って出ることに(笑)。

日本刀を持って出ることに

 まず開校までの経緯やシステムについて郡司事務長から報告があり、その後世界妖怪協会の軌跡VTRを放映。これは、去年の妖怪会議ファイナルで使用したものに、本邦初公開の「世界妖怪協会誕生の日のスチール写真」と、昨年の会議の様子などを追加したリミックス版(ギリギリまで作業ができなくて、新幹線を二本遅らせてようやく作ったもんなわけですが)。
 で、何故か刀を持って出た僕は、水木大先生から授かりました「ゆるい」「たのしい」「くらべない」「きばらない」頑張りかたについてなんかをお話させていただきました。

お話ちゅう

 荒俣さんは化け大生の心得として「権威なし」「ケンカしない」「金もなし」の「3K」を掲げ、さらに「ごろつき」「ごきぶり」「ごくろうさん」の「3G」を熱いエールとして学生の皆さんに伝授。

3Kと3Gの熱いエール


 いや、3Kは先に聞いていたのですが、3Gは…… たぶん、長刀を手にされてから考えられたものかと。
 その後、原口さんから、水木大先生は「好きなものには火の玉のようになってとりくむ」べきとお考えであるという訓話がありました。まさにその通り、名言「なまけものになりなさい」は怠けられるように励めという意味ですし、励むにしても嫌いなことを無理にやれではなく、「好きなことだけはやりとおせ」「やりとおせるように励め」ということ。勘違いしてただ怠けてしまうと、「ギロチンですよ」ということになりますからね。
 で、総長からのメッセージが代読され、いよいよ除幕式。

除幕式

 何の? って、それはお化け大学総長水木しげる大先生の銅像の、であります。
 除幕と同時に鬼太郎や妖怪がぞろぞろ出てまいりまして、記念撮影。

記念撮影


 それから記者会見。さらには特別サイン会まで。
 荒俣先生は新刊のご著書、僕は特製お祓い済みうちわ(笑)にサイン。取材で来ていた村上健司くんも飛び入りでお手伝いをしてくれました。

うちわ(笑)にサイン

 いや、思えば実にひさしぶりにサイン会をさせていただきました。
 暑い中、長い間ずーーっとお待ちいただいていた方々、ほんとうにお疲れ様でした。

 で、これが例年ですと「おわったー。一年終了ーー」(僕の場合は妖怪会議終了でその年は終わり、的な感じだったわけです。去年まで)なのですが。
 今年は……これが始まりなのでした。
 あー。

 打ち上げ兼打ち合せ後、駆けつけてくれた化野さんや香川さん、松野くらさんらと合流、でも結局、今後の打ち合せ的なことに。
 始まったばかりですからねえ。で、引き続き。

◎今週のお化け文楽◎

 前号の「怪」で桐竹勘十郎さんが語られていた妖怪オールスター登場文楽、「化競丑満鐘(ばけくらべうしみつのかね)」の箱根先化住居の段が上演されているため、大阪の国立文楽劇場に行ってまいりました。
 裏に載っている「くいだおれ太郎」はこの時の写真ですね。別に僕がくいだおれ太郎に会いに行って来たわけではありません。行ったらいたんです。太郎が。

化競丑満鐘

 いやー、話には聞いていましたが、これはもう妖怪大行進です。
 なんたって。狸と雪女夫婦の子供が河童の川太郎ですから。しかもこの川太郎、登場する時は筍笠に豆腐半丁を盆に載せ、帳面を提げたお使いコス。「かの赤本に画いたる豆腐小僧と見えにける」というお姿なわけで。
 河童の父・狸は元見越し入道の家臣で、家宝文福茶釜をなくしてしまい、今は浪々の身。そのわび住まいに、元の主の娘・ろくろ首姫がたずねてまいりまして……という展開。
 このろくろ首のギミックが 実によく出来ております。伸びる伸びる。おそるべし文楽人形。しかも、ちゃんと縮みます。
 雪女の兄でごろつきのかわうそ、天狗の手のもの鎌鼬、青鷺の化身と、出るは出るは、もうお化けまみれの悲喜交交。
 追われておりますろくろ首姫の身代わりに自らの命を絶ち、首を差し出して忠義を尽くす雪女、でも「その首が溶けちゃってバレてしまう」という(雪女ですからね)、お化けならではという展開。強敵鎌鼬のオナラ攻撃もすごいわけですが、皿に水がたまると大暴れする川太郎がなんたって強いわけで。母を失って涙があふれ、その涙が皿を潤し、千人力の大活躍。
 いや、馬琴はスゴイ。そしてこんな話を演目にしてしまった文楽もスゴイ。
 他の段も見たくなりました。

◎今週のゲゲゲ組◎

 妖怪横丁映像部ゲゲゲ組、高山・鬼太郎・みなみ監督によるオリジナル手作り映像の第二回完成試写がありました。
 ゲゲゲオールスターズが楽しそうに総登場。あ、ちなみにアニメではありませんよ。ナマですよ。なぜか演出家が撮影したり脚本家が照明したりしてますよ。
 変です。でも、楽しいのでいいのです。
 みんな、心は妖怪横丁なのです(←やや意味不明)。これはもったいないのでゲゲゲの鬼太郎猫娘セレクション「ニャニャニャのネコ娘」に特典映像として収録される模様。
 このゲゲゲ組のみなさん、ナニやらいろいろと企みを持っていらっしゃるようで、どうやらお化け大学にも来てナニかしていただける模様です。
 乞うご期待。

◎今週の新刊◎

 いや、妖怪も怪談も通年ものなんですが、なぜか夏場は大変なことに。
 平山夢明さんの『こめかみ草紙・串刺し』、福澤徹三さんの『黒い百物語・叫び』(ともにメディアファクトリー)がついに発売。
 いずれも「幽」連載に書き下ろしを加えたお得な一冊。旅のお供に食後の腹ごなしに勉強疲れに怪談をどうぞ。効きますよ。
 と、いうか最近は妖怪も怪談も刊行物が多過ぎて紹介しきれませんね。うーむ。

 それよりもまず、最近この「大極宮」、僕のパートだけ長くないすか? 気のせいすか?
 そうかなあ。
 と、いうわけで明日は高尾山。
 それから小倉に向けて飛び立ちます。天狗に連れてってもらいます。九州まで。
 無事に戻ればまた来週。

編集者Sのウラ情報

ほどほど……

 北九州小倉での松本清張生誕100年記念「大極宮トークショー」がいよいよ来週に近づいてまいりましたが、心配なのが福岡県や中国地方を襲った記録的な豪雨。楽しみにしていたのにそれどころじゃなくなった、という方もいらっしゃるかもしれません。
 被災された方にはお見舞いを申しあげます。
 そういう状況ですが、三人も皆さんに楽しんでいただけるよう頑張ると思いますのでよろしくお願いします。 東京も梅雨はあけたのですが、スカッした夏空という日はほとんどありません。今年の夏はどうなるのでしょうか。
 天気が悪い日は本でも読んですごしましょう、というのはこの業界の本音ですが、雨も度が過ぎると今回のような災害で読書どころではなくなります。なにごともほどほどが……。

まるひの秘書ヒショバナシ報

今週の厨子王原稿メール件名

 怪談大極宮地蔵
 怪談シリーズ、好調であります。大極宮地蔵が三体並んだところに笠をかぶせてあげたいです。

究極のぴよぴよのタタリ

 パソコンは一時的に(奇跡的に)復活しましたが、今度はワタシがボーコーエンになってしまいました。ハンパなくお腹が痛いです。まともに歩けないです。まるで牛歩。ゆったり道行くオバアサンに、軽く追い越されてしまうほどです。ううう。ぴよぴよめー!
 今日(7/31)、病院へ行って薬をもらってきました。早く効いてくれるとよいです。

ノリノリ編集後記

小倉へ

 行く前に…東中野に行ってきました。
 以前、京極さんが紹介していた“妖怪絵師”東雲騎人さんの個展「妖怪風流」です。
 京極さんの『前巷説百物語』のカバーイラストの原画なども飾ってありましたが、個人的に驚いたのは学生の頃に石燕の画を模写したノート。これが結果的に習作になったんでしょうけどスゴイです。
 会場では妖怪おみくじやカードや手ぬぐい、それになんと額装した一点モノの画も販売しています。これはお宝ですよ〜。
 東中野のギャラリー「ビタミンTee」にて8月2日まで開催中!

妖怪風流

 でっ…来週はいよいよ小倉です。物販用の商品もそろいました。
 パンフレット(2,000円。vol.1のみ3,000円)は3人全員のサイン入り。
 クリアファイル4種セット(1,500円)には京極さんのサイン入りポストカードを1枚オマケ。
 ポストカード20枚セット(2種類あり、それぞれ3,000円)には京極さんのサイン入りが1枚封入されています。
 あと、昨年の朗読会vol.7を収録したCD(3,500円)も先行発売。
 これらの商品をどれでも2個以上お買い上げいただいた方には、豆腐小僧ピンバッチをもれなくプレゼントいたします。

商品もそろいました

 大沢さんと宮部さんはそれぞれ90、京極さんには200以上もサインを書いてもらいました(…お疲れさまでした)。
“お化け大学校”単位ポイントはありませんが、ぜひお買い求めくださいませ。よろしくお願いいたします。
(販売員は私ひとりだけど、大丈夫かなぁ…ノリ)

アンケートから

ぜひぜひ投稿も!

◆「あなたが選ぶ名ゼリフ大全」が好きです。
 ちょっと妄想が入っているコメントも、作品への愛ゆえだと思えば興味深い……。
 皆さん、いろいろな読み方をされているんですね。活字ってすごいなあ。

・爺が泣いて喜ぶメッセージをありがとうございますー。ぜひぜひ投稿も! お待ちしてますよ〜。(まるひ)

今週も順調なマチガイ

◆「お初、"に抜け"じゃ」「えっ、どこで?」
「その他の情報の、児玉清さんの"あの作家に会いたい"から、"に"が抜けた!」

◆こんにちは、いつも楽しみにしています。さて、さっそくですが…。
 間違い探し初級者編。「編集者Sのウラ情報」の「マンガだけでなく写真もなども活用し、」は、「も」がひとつ多いです。
 間違い探し上級者編。「厨子王の逆襲」の中で、「行われて」の送り仮名が一か所だけ「行なわれて」になっています。探してみてください。

・ご指摘ありがとうございます。遅まきながらコッソリ直しました〜♪(まるひ)

- 第408号 - 2009/8/01