週刊大極宮

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- 第447号 - 2010/5/28
HEADLINE RUMORS 〜 風のウワサ  
  • 雨、雨……
 安寿が山椒大夫に御飯をご馳走した日は、両日とも雨。さすが安寿!


過去の大極宮へ
燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー  
  • ゴルフコンペ
 春のコンペシーズン真っ最中で、すでにいくつか参加しているのですが、このところゴルフの調子がかなり悪いです。
 とくにドライバーがまともに当たらなくて、スコアが続けて90台というていたらく。
 オイラなりにはがんばって、スコアをまとめようとなんとかしのぐも…なにしろコンペのハンディが2だの4だので、危うくブービーみたいな順位が続いております。
 で、それを直すべく週2回も練習場に行っているのに、どうしてもコースへ出ると俗に言う“チーピン”が…。ドライバーを左に引っ掛けてしまうのです。
 どうもこのトンネルはしばらく続きそうな感じで…チョコレートにほくそ笑む連中の顔が目に浮かびます。

 そんななか…先日、安寿の取材依頼を受けて、安寿が書く小説のための資料を提供すべく、よもやま話をしながら御飯をご馳走になりました。
 そしてその後、安寿が前回だけではおごり足りないと…なんとも奇特なことを言ってもう一回おごってくれました。
 2度も安寿に御飯をご馳走になってしまいましたよ。
 最近の良い事と言えばそれぐらいかな……。
安寿のがまぐち 〜 宮部みゆきのコーナー  
  • ゲーム女の生きる道
 今週もお休みさせていただきます。
arrow 厨子王の逆襲 〜 京極夏彦のコーナー  
  • ◎今週のiPad◎
 先週、写真報告がありましたが、まあいろいろとございました。テレビはひさしぶり。ブランチは三回目。記者会見は冗談が言えなくて、その後の新刊の会はぶっつけ本番。
 というわけでiPadは本日発売ですね。スピード認可で間に合いました。詳しくは、どこかに載っているかと。
  • ◎今週の戦国◎
 どういうわけか武将的な人に刺されていますが、遊んでいるわけではなく。小説家になってはじめて 「取材」というものをしました。いや、現地に行っただけですが。

刺されていますが

 出版界でも一二を争う戦国武将マニアD部長の案内で、某合戦があった古戦場に行って来たわけです。同行は講談社担当K×2。
 それはもう歩きました。山。いやあ、昔の人はよく歩いたものです。

山

 どの作品に反映するのかは、まあ来年以降のお楽しみ。
  • ◎今週の古典遊戯◎
 古典遊戯研究会では(微力ながらも)長らくウンスンカルタを推進してまいりました。
 ウンスンを伝えます人吉のみなさんの惜しみない努力が実りまして、ウンスン人口も徐々に増え、人吉とポルトガルとの交流も始まりました。うれしいです。
 でもって古典遊戯研究会が次に取り上げます古典札遊戯プロジェクト(ってほどたいそうなものじゃないですが)は、「道才カルタ」であります。
 六十二のことわざに材を採ったカルタでありますが、ちょいと特殊な遊び方がございまして、知る人も少なくなっております。
 六十二枚の中には六枚の「お化け札」と呼ばれる札がございまして、一部妖怪好きには(絵柄だけ)が有名だったりしたわけで。こりゃちゃんと遊び方を習得しておかねばなるまいと前々から懸案になってもいたものであります。で。
 
京都のカルタ職人・松井天狗堂のご主人・松井重夫さん(村上健司著・中公文庫『手わざの記憶』のトップバッター。残念ながら現在お店は閉められています)は、ウンスン同様に道才も復元・製作されておられます。その松井さんが実際に道才カルタを楽しんでいた人たちから遊び方を伝授されていると聞きまして、いずれ講習会を開かせていただければと話していた次第。いや、説明書を元に遊ぶのと、実際にプレイしている現場の空気をご存じの方に教えていただくのでは雲泥の差があるわけです。
 そこで古典遊戯研究会の札番長・村上健司くん、ギャンブル大将・梅沢年寄、京都在住会員・松野くらさん、それから店長Cらと連れ立ちまして、松井さんのお宅にお邪魔いたしました。
 いや、実に面白かったわけです。一見複雑そうですが、実際にやってみるとするするできます。今では耳にしないことわざなんかも含まれていますし、絵柄も実に綺麗。

絵柄も実に綺麗

 半日松井さんの講習を受けまして、それから練習会を開きました。僕は三百五十文負けました(笑)。はははは。点数が文なんですね。銭形平次なら三百五十回投げられますね。

三百五十文負けました

 あつかましいお願いを快く聞いてくださった松井さん、ほんとうにありがとうございました。

  • ◎今週のラヂヲ◎
 と、いっても「東京ガベージコレクション」ではなく。いつものお相手は平山夢明さんですが、今回はなんと大竹まことさん。そして阿川佐和子さん。しかもナマ。
 文化放送「大竹まこと ゴールデンラジオ!」の「大竹メインディッシュ」に呼ばれまして、『死ねばいいのに』のお話をば少々。
 何度書いてもヒドいタイトルです。
 
 阿川さんとは対談やテレビなどで何度かお会いしているわけですが、大竹さんとは初対面でありまして、まあこちらは一方的に昔っから知っているわけでありますが、コワい人じゃないかとか心配したり、でもお仲間がきたろうさんと(斉木)しげるさんですから、その辺は大丈夫じゃないかと思ってみたり(よくわからない安心の仕方)。
 水木先生の『キノコ』という短編に大竹先生という宇宙人が登場していまして、それがどう見ても大竹まことさんなので、それをわざわざ持って行って大竹さんご本人に見ていただいたりもいたしました(何をしてるんだか)。
 
 いつも夢明の旦那とはダラダラエンドレス意味ナシトークをしているわけですが、今回は意味ナシというわけにもいかず、なんたってナマですから、緊張するよなあなどと思っていたのですが、緊張するまもなくあっという間に終了。進行表はほとんど無視 (笑)。お世話になりました。

大竹メインディッシュ


  • ◎今週のメトロ◎
 月船さらら×出口結美子の演劇ユニットmetroの第三回公演がありました。
 一回目は「陰獣」、二回目は「妹と油揚げ」でありまして、今回は谷崎潤一郎『痴人の愛』。出演は月船さん(ナオミ)と池下重大さん(譲治)、天願チームの怪優・鴇巣直樹さん(痩せた男)。今回出口さんはプロデューサーと声の出演。
 一回目はミステリ、二回目は妖怪(全日本妖怪推進委員会推進舞台)ということで、僕なんぞにもお呼びがかかりまして、脚本・演出の天願大介さんとトークなどをさせていただきました。そんなご縁もございまして、今回もお声を掛けていただきました。
 
 いや、「痴人の愛」って、こんなに普通で、こんなに面白かったかしらと思ってしまいました。いや、谷崎文学というフィルターがかかっているので読む方も構えてしまうわけですが、素で読めばこうなのかも。ナオミはたぶんこれが正解なのかもしれません。もう一度読み直そう。
 終了後はキャスト&スタッフのみなさんの懇親会にお誘いいただきまして、物販のお話などを(なぜ!)。まあ妖怪会議やら古書祭やらで物販は慣れていますし。
 次回作が楽しみです。

次回作が楽しみです。


  • ◎今週のゲゲゲ◎
 今週というよりゲゲゲは毎日なんですが。毎日ゲゲゲで、つい喋り方も「ちょっこしそれ取ってくれ」「ええよ」的になってしまう昨今です。
 大好評放映中NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』でございますね。もうすっかり松下奈緒さんが奥様に、向井理さんが水木大先生に見え始めているわけですが。
 そんなところにホンモノの大先生から招集が。
 総長のお声がかりとあって郡司怪編集長と梅沢購買部のおじさんとともに駆けつけました。
 劇場版『ゲゲゲの女房』の試写会でございました。「こんどは劇場だ!」ですね。

 観ました。これがまあ、テレビとはまったく違うゲゲゲの女房になっておりまして。こちらはこちらで実に良い感じなのでありました。
 劇場版の主演は吹石一恵さん。そして大先生は宮藤官九郎さん。
 劇場版『魍魎の匣』では久保竣公だった宮藤さんですが、このたびは見事に水木しげるになってました。リアルです。リアル貧乏。リアルなのに、妖怪度数は高いという。
 もちろん屁もします。テレビでは描けない部分が(といっても監督はあえてテレビを観ないようにされていたとか)たっぷり入った二時間弱。淡々とした趣はクセになるかも。
 しかし劇中で生まれる赤ちゃんや産んじゃうご本人と一緒に映画を鑑賞するというのは稀有な体験であります。

試写会場にて

 会場には主演の吹石さんをはじめ、音楽/貸本屋おやじ役で出演もされている鈴木慶一さんもいらっしゃいました。

鈴木慶一さん

 水木絵がそのまま動くアニメ部分も秀逸。
 終了後はリアル大先生御一行と映画やおならのお話をさせていただきました。えつこさんの語る最新水木話に化け大一行はノックアウト。生水木は最強&最高です、はい。

生水木は最強&最高です

 公開はテレビシリーズ終了後になる予定。お楽しみに。

 そんなわけで、『怪0030』もそろそろ始動です。
編集者Sのウラ情報  
  • いよいよ黒船が……
 世の中、iPadネタで持ち切りですが、現時点で買う気ゼロ。自分が使っている姿を想像できないんですよね。オーツカ・ハルにiPhoneいいですよーと言われ続け、そうだろうなと思いつつ、今の携帯で充分と思っているぐらいですから。
 ただ新聞が今の体裁のまま読めるようになると(産経や日経はできますが)、それは魅力的かなと。だって新聞ってすぐに溜まって捨てるの面倒だし。そうなると全国津々浦々展開された新聞販売店は無くなっていくだろうし、情報弱者は新聞が読めなくなる可能性も。電子書籍で書店、取り次ぎ不要論がでるのと同じですね。もちろん今まで、歴史の流れのなかで消えていった産業なんていくらでもあるわけで、センチメンタルになっても仕方ないのですが。
 そのうちに紙の書籍(新聞)はエコじゃない、すべて電子化しろなんて法律が出来たりして。それは悲しいな。
まるひの秘書ヒショバナシ  
  • 今週の厨子王原稿メール件名
 大極宮玉ホリディ
 をを? またもや新展開のヨカン?
  • 電子書籍版『死ねばいいのに』
 ツイッターやトップページでもお知らせしていますが、『死ねばいいのに』の電子書籍版が本日5月28日から配信開始されました。
 購入方法などの詳細は、コチラの講談社のサイトをご覧くださいませね。
 iPhone版も間に合ったようです。先ほどオーツカ・ハルがダウンロードしていました。
 ワタシもiPhoneを少し触らせてもらったですよ。思っていたより読みやすかったです。フォントの大きさが変えられたりして、老眼にも優しい仕様。
 ただ、この画面で一気に一冊読みきれるかどうか、自信はありません。目が疲れそうで……。これは「慣れ」の問題なんでしょうかねー。
ノリノリ編集後記  
  • 国民読書年
 電子書籍元年と騒がれるなか、ついにiPadが発売となりました。
 京極さんは予約しているそうですが、オフィスでも1台契約することになりそうです。
 なんとなく楽しみ。…ってゆうか、とりあえず手にしてみたいと思わせる商品なんて久しぶりです。もっとも手にしたあとに楽しめるかどうかはコンテンツ次第なのですが。
 でっ、じつは電子書籍元年などと騒ぐ前に…今年は「文字・活字文化振興法」の制定・施行5周年ということで、「国民読書年」に制定されています。政官民協力のもと、国を挙げてあらゆる努力を重ねる年なのだそうです。
 ちなみにキャッチフレーズは…「じゃあ、読もう。」。
 具体的にどんな取り組みがされているかは、勉強不足でよくわかりませんが、個人的にはツンドク(積読)状態の本に手を付けなくてはと思っています。
 と言いながらも…今週は「日本ダービー」の予想で、競馬関連の雑誌と新聞ばかり読んでます。いや〜、難解ですよ。
 ダービーに向けそれぞれちがう路線を歩んできたので、有力馬同士の直接対決がほとんどありません。そのぶん妄想がふくらみます。
 応援したいのはペルーサですが、ヴィクトワールピサにはこの先3冠も狙ってほしいので…今週も1着同着にならないでしょうか。
(日本代表はどうあれ(もちろん応援します)、W杯は4年に一度ですから楽しまなきゃ損ですよね…ノリ)
アンケートから  
  • がが
◆編集者Sのウラ情報の、それにしても記念すべき第一弾の”タイトルがが”『死ねばいいのに』。
””ではさんだ部分の「が」が一つ多いようです。

・ホントだ「がが」になっていたではありませんか! あわててこっそり直しました。ご指摘ありがとうございます〜♪(まるひ)
  • 応援ありがとうございます!
◆『小暮写真館』読み終えました。こちらで立ち読みさせていただいてから、翌日には本屋さんに走りました。
 宮部みゆきさんのお話の魅力は、もちろん幾つもあるのですけれど、そのなかでも私にとっての一番、と呼べるものが、きらきら光りながら待っていてくれました。
 すてきな御本をありがとうございます。
 そして、オーツカハルさん! 私は禁煙の大変さはまるでわからないのですが、これまでせっかく150日近くがんばってこられたのでしょう?
 何か、ご自分へのごほうび、とか設定なさって、気を取り直してみてはいかがでしょうか。

◆毎週楽しみにしています!
 学校の隣が本屋なので、毎日チェック!
 ちゃくちゃくと減っておりますョ。
 オーツカ・ハルさん! 頑張ってください!
 ここまできて、もったいないです!
 大極宮ラーのみんなが応援してますから!

◆いつも楽しく拝見しております。
 今回は、オーツカ・ハルさんへのメッセージです。
 禁煙、つらいでしょうけれど、頑張って!
 自分も昔タバコをやめたときはつらかったです。
 でも、一日二箱のタバコ代が、一冊の文庫本代になると考えて禁煙成功しました。
 タバコをやめたら何ができるか、楽しいことを想像してください♪
 がんばってー!

・応援ありがとうございますー。本人も再びやる気が出てきたようでございます。後に引けなくなった、ともいえますが。わはは。(まるひ)

裏大極宮へ

- 第447号 -
2010/5/28