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▼山椒大夫 ▼安寿 ▼厨子王 ▼写真館

▼まるひ ▼編集者S ▼ノリノリ ▼アンケートから

■HEADLINE RUMORS 〜 風のウワサ


◆盛岡で風邪を引いて帰ってきた大沢山椒大夫。珍しくゴルフコンペを
パスしたらしい。これぞ鬼の霍乱! (I集院先生曰く「大沢も風邪を引く
人間だったんだー!」ですって)

 
■燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー

◆シネマパレードって…
盛岡で行われた『第6回みちのく国際ミステリー映画祭』に行ってきた。
天気が悪かったぶん寒くてちょっと風邪気味になった。
とくに店のなかが寒い…エアコン入れてんだもん。
盛岡の人は寒さに強いね。

現地では予定されていた逢坂剛氏とのトークショー「名探偵もまた死す」が
終わったあと、シネマパレードというのがあった。自衛隊のブラスバンドや
地元高校生のバトントワラーに先導され、商店街をパレードするもの。
優勝パレードみたいにベンツのクラシックカーに乗り込み、街中で手を
振る……いったい自分は何者なんだか。
それにしても一緒だった北方謙三氏は盛岡市民にすごく愛されていて、
行く先々握手攻め&写真攻めにあっていた。
盛岡市長選挙に立候補したら当選間違いないだろう。

夜はその北方氏と石井聰互監督と夜中の3時すぎまでアツく映画の話を
語り合った。
石井監督は歳が近いし、『狂い咲きサンダーロード』でデビューして以来、
注目してきた人だったので話も盛り上がった。俺の原作で映画を撮りたい
とも言われたし。

翌日は、岩井志麻子氏が自らの受賞式のために急きょ帰らなければなら
なくなったので、代わりにトークショーに乱入。
相手は北方氏…昨夜の続き? 映画について真面目にシビアな話をした。

それと今回の映画祭でひとつ印象に残ったこと。
新人監督奨励賞は“受賞作なし”であったが、篠田正浩監督が候補作4本
ひとつひとつに対してすごく丁寧な選評をされていたこと。
あと『みちのく国際ミステリー映画祭』における作家同士のトークショーに
関しては、違う形のものも考えた方がいいかもしれない。
たとえば、映画会社の人間、監督、脚本家、原作者、俳優、プロデューサー
など映画製作関係者みんなで“映画作りの現実論”についてのバトルトーク
とか。個人的には、日本映画の現状はちょっと上向きかけているけど、また
落ちちゃうんじゃないかと危惧している。なんとかならないものか。
映画が好きだし、映画界は元気になって欲しいから。

…と、盛岡はこんなあんばいでした。
まあ、とにかくやたら酒は飲んだ。久しぶりにホテルの部屋でベッドに
横たわったら、天井がまわっていたよ。

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■安寿のがまぐち 〜 宮部みゆきのコーナー

◆ご苦労さま その3
通販で好いのを見つけたので、5年とちょっと愛用したバスローブを買い
換えました。
でもタオルとかバスローブって、ヨレヨレになってからが良いんですよね。

◆わくわく♪
初めて作った短編アンソロジーが、11月に光文社から刊行されます。
『贈る物語』という企画で、若い読者の皆さんに、短編小説の楽しさを
ご紹介したいという主旨で作られたものです。
 綾辻行人氏 「ミステリー」
 瀬名秀明氏 「ワンダー」
 ミヤベ 「テラー」(ホラーではないところがミソよ)
という分担です。収録作選択のコンセプトはそれぞれ微妙に違いますが、
3冊揃うとなかなか面白い景色が見えてくると思いますよ。
ミヤベの作ったテラー≠フアンソロジーは、本当に入門編というか、
有名な作品ばかりを収録しています(親本もみんなアンソロジーですから)
ので、このジャンルがお好きな方には物足りないかとも思いますが、
「普段、短編はあんまり読まない」という方には楽しんでいただけるのでは
ないかと期待しております。

◆今週のゲーム女のひと言
『幻想水滸伝III』三昧にひと区切りがついたので、次は、ずっと気にしつつ
未プレイだったアトリエシリーズの最新作、『ユーディのアトリエ』をやろうか
と思っています。
借金取りに追われる錬金術士というのも新鮮でし。

さて先日、『ベストセラー本ゲーム化会議』という本をご恵送いただき、読み
ました。面白かったぁ。
『模倣犯』を取り上げてもらっていて、めちゃめちゃ嬉しいです!! 
ミヤベのプロフィールのところに、ちゃんと『ICO』をノベライズしてることも
書いてくれていたし♪

ゲーム・クリエイターの方やゲーム雑誌の編集さんにお会いすると、いつも
驚くんですが、皆さん読書家なんですよ。
ゲームの方に比重がかかりがちのミヤベなんかより、たくさん読んでる。
「最近のお薦め本は何ですか?」なんて、教えてもらっちゃったりしてね。
で、今回も、遅蒔きながらでハズカシイのですが、『ベストセラー本ゲーム化
会議』のなかで激賞されている舞城王太郎さんの『煙か土か食い物』を
読み始めました。ホント、遅いね。スミマセン。
ゲームばっかやってるもので……。

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■さまよう厨子王 〜 京極夏彦のコーナー

◆漫画
妖怪馬鹿のコーディネイターである架空の編集者青木(仮名)君ですが、
彼は中々どうして見上げた編集馬鹿(馬鹿編集者という噂もある)。
彼が担当しました新潮文庫の『中学生日記』(Q.B.B.)なんですが、これ、
ぱっと見ただの文庫化に見えて、実はそうではないのですね。
親本と比べてみるとわかるのですが、漢字その他が新潮文庫基準に
直ってるのですね。しかし、これ、もともと全編描き文字なんです(笑)。
一文字単位で描き直してもらったのか!
いや、作画担当の久住卓也さん、ごくろうさまでございました。
その他にも細かい気配りがあって、ただそのまま縮刷した文庫漫画とは
一味違います。
そもそも傑作ですから、興味のある方は是非お読みください。
ただ、フツーの新潮文庫ですから中味が漫画だということがわかりにくい
かも(笑)。

◆出発
境港の妖怪会議に行って参ります。更新が通常通りに行われていれば、
まあこの記事が出ている頃には境港近辺に私はいる訳ですね。
でもって更新が通常通り行われていれば、更新翌日には本番で。
オープニングセレモニーの後、御馴染みの妖怪会議をやっている、と。
飛行機が落ちたりホテルが爆破されたりしない限りは、そういう進行に
なっておりますが、果たして更新の方はどうか!?
えー、地方からおいでのみなさん、境港でお会いしましょう。
地元のみなさん、よろしくお願いします。

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■みちのく写真館

◆2002年10月19日(土)
上の"燃えよ山椒大夫"でも触れている「みちのく国際ミステリー映画祭
2002 in 盛岡」でのひとこまです。




トークその1


逢坂 剛先生とのトークショー『名探偵もまた死す』
途中で客席から北方謙三先生を舞台に招く。


トークその2



トークその3


今度は、北方先生&斎藤 純先生(左から2番目)のトークで
舞台に"招き返し"される大沢と香納諒一先生(左)




貫禄の北方先生


シネマパレード。
車の違いは、現地での人気の差か?


なんだかんだいって嬉しそうな山椒大夫





写真提供は日本推理作家協会のTさん(大感謝!)


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■まるひの秘書ヒショバナシ

本日(10/25)昼過ぎ、大沢山椒大夫がオフィスにやって来ました。
仕事場マンションの排水管工事で、台所も風呂もトイレも、とにかく水まわり
すべてが使えなくなるとかで、こちらに避難してきたんです。
工事の人が出入りする関係上、たとえ水が使えなくても誰かが部屋に
居なければあかん。というわけで、午後からハルくんとアルバイトのヨーコ
ちゃんに交代でお留守番を頼んで、大沢はオフィスの会議室で原稿書くって
昨日まではそういう話になってたんです。
おっ、執筆光景の激写ができるかも! って、私も心の中でほくそ笑んで
いたですが・・・
「ったくよー、8時から工事始まるって聞いてたから、こっちは6時半に
 起きて待ってたのに、実際来たのは9時過ぎでさー。もーもーやること
 なくってヒマでしょうがなくて仕事してたら、今日のぶんの原稿終わっ
 ちゃったよー」
だそうで。
A「ありゃまあ、そりゃタイヘンでしたねー」
B「仕事が早く終わってよかったですねー」
C「やれば(午前中だって)できるじゃん」
私の反応は上のABCのうち、さてどれでしょう。
(言わなくてもわかりますね)

大沢は1時間ぐらいウダウダしておりましたが、「新しいメガネでも作って
くるかな」と、オフィスを後にしました。
思いがけなくぽっかりと空いた午後の時間。
私には大沢の顔がけっこう喜んでいるように見えましたです。

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■編集者Sのウラ情報

ようやく「標的走路」復刊しました。
数ある大沢作品のなかで唯一絶版状態だった理由はいろいろいわれて
いたようですが、電子書籍版(この表現は正しいのでしょうかね。便宜上
こういわせていただきます)のあとがきで本人が触れていますので、どうし
ても知りたいという方はご購読ください。
なんだよケチ、と思われるのもしゃくなので、簡単にお教えしますと、
若かったのね、ということです。佐久間公も山椒大夫も。
それからぜひご理解いただきたいことがあります。
今回の電子書籍版の販売にあたり、eBook形式を採用しました。
この形式を採用した理由のひとつに著作権保護のシステムに優れている
ということがあります。
印刷はもちろん、コピーもできません。
ダウンロードしたパソコンでしか読めません。
非常に厳しいと思われる方も多いでしょうが、電子出版はまだスタートした
ばかりで著作権保護のシステムや法体系など未整備な部分が多いのは
事実です。
今後電子出版が普及していくにつれ、ネット上での著作権について論議
なされていくでしょうが、現状ではこの強力な著作権保護システムが
なければ、電子書籍版の販売には躊躇していたと思います。
どうぞご理解いただけますようお願いいたします。(S)

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■ノリノリ編集後記

宮部さんの『ご苦労さん』シリーズじゃないけど、ドライヤーを買い換え
ました。僕の場合は落として壊れたから。今まで何十回、何百回と
落としてきたのに…今回は打ち所が悪かったのね。
で、買ったのは“マイナスイオン”がじゃんじゃん出てくるやつ。
…いまさらだけど。でも高かった〜。使ってた物の10倍ちかい。
ドンキホーテでもメダル2枚に迫る勢い! 衝動買いですなぁ。
パッケージの女性があまりに気分良さそうに髪をたなびかせてるから。
そしてその使い心地は…なんかイイ感じですよぉ。ホントに。
いい買い物でした。部屋ではちょっとういてるけど…。
(中山の苦い経験ナリタ消し。岡部と武の一騎打ちか…ノリ)

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■アンケートから はスタッフのコメントです)

◆大極宮」とは関係が無いのですが、金子昇さんの公式HPで、
ハンドルネーム’まるひ’さんの書き込みを発見。これって、まさか・・・

「大極宮」角川さん在庫切れ、しかも重版の予定なしとの事。
どうしたら、手に入りますか?
わが町の本屋さんには、初めから入庫しなかったし・・
ネット書店もあたってみたのですが・・
その「まるひ」さんは、私ではありませんですー。
私がネットで使うハンドルネームは、まったく違うものですしね。うひ。
文庫版『大極宮』、あるところにはある(余ってる)んですけどねえ・・・。
bk1というオンライン書店をのぞいてみましたが、そこには在庫あるようです。
→→→試しにココに飛んでみてくださいー
と、こっそり直リンク・・・ビクビク・・・
(まるひ)


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