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 第235号へ 第236号 2006.1.20 第237号へ 
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▼山椒大夫 ▼安寿 ▼厨子王

▼編集者S ▼まるひ ▼ノリノリ ▼アンケートから

■HEADLINE RUMORS 〜 風のウワサ

◆先日放映されたドラマ『らんぼう』の番組宣伝で、何故か「おおさわ ありまさ」が、「おおさわざいしょう」と連呼されていたらしい。

 
■燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー

◆祝 直木賞! 東野圭吾殿
「選考委員が僕の名前を見るのもいやになるほど候補になり続けてやる」と豪語していた東野圭吾氏が、候補6度目で直木賞を受賞した。彼とは20年ぐらい前、安寿と知り合うきっかけにもなった『雨の会』という若手ミステリー作家の会からの付き合い。
 今ではすっかり売れっ子になり、推理作家協会の常任理事としても熱心に協会のために働いている。毎度候補になるたびに受賞してくれればいいなと思っていたので、ついに栄冠を射とめてくれてよろこびにたえない。
 発表当日は銀座にある業界が集まるクラブで祝賀会。オイラが駆けつけた10時過ぎには、すでに店の中は40〜50人ぐらい人がいて、立っている人もいるありさま。逢坂剛さんや藤原伊織さんといった面子に混じって乾杯をした。やがて安寿もやって来て、選考委員のK方先生もあらわれて盛りあがりを見せた。

 なんといっても今回の彼の受賞で、いいなと思うことが二つある。ひとつは今でも十分にファンを持っているけれども、この受賞をきっかけにさらにファンが増え、彼の50冊に及ぶ過去の著書が売れ書店の現場が活性化すること。
 もうひとつは20年のキャリア、50冊以上の本を出してきた人であっても、チャレンジし続ければいつか栄誉が手に入ると示したこと。同じように長い期間がんばっていて、まだこの賞に無縁な人たちに大きな勇気を与えることだろう。彼の受賞によって「俺も負けないぞ」と思っている人がたくさんいるはず。もちろん作家にとって賞がすべてだとは言わない。けれどもオイラ自身がよく言うように、作家という職業はサラリーマンと違って出世の階段があるわけではないので、自分が歩いてきた道のりを振り返ったときに何かの形象…となると文学賞ぐらいしかない。あれば自分が歩いてきた道はそれほど間違っていなかったなと思える安心が得られる。
 みんな賞は欲しい(だろう)。その気持ちは理解できるし、オイラ自身にもある。変にカッコつけて「賞はいらない」と言ったりせず、がんばると言い続けてゲットした東野氏はお見事のひと言。名前は出さないがオイラのまわりの「見ていろ」と思った人たちが、これからもこういう祝いの席の主役になってくれることを願う。と同時に、自分は受賞しているから関係ないというのではなく、ぼやぼやできない、がんばらなきゃなという気持ちになった。

 ちなみに受賞作『容疑者Xの献身』は、発売になったばかりのオイラの新刊『魔女の笑窪』と同じ文藝春秋が出版している。なので、その場にいた同社出版局長に二冊の抱き合わせ販売商法を提案した。書店から注文が殺到するであろう『容疑者Xの献身』には、100冊につき『魔女の笑窪』50冊…。まあ、あっさり却下されましたが。装丁も『容疑者Xの献身』が黒に対し、『魔女の笑窪』は白でなかなか良い組み合わせだと思ったがなぁ…。

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■安寿のがまぐち 〜 宮部みゆきのコーナー

◆ゲーム女の生きる道
 年明け、やや仕事が忙しいので「ローグ・ギャラクシー」をのんびりとプレイしているのですが。
 いろいろなアビリティを覚えさせる新システム「ひらめき」ね。なかなか面白いです。「FFX」のスフィア盤に、さも似たり。でも、必要なのが能力値じゃなくてアイテムだということがユニーク。
 ただ、アイテム依存だとあんまり自由な育て方はできないみたい。せいぜい、育てるキャラと育てないキャラを選ぶぐらいかなぁ。わたしは均等に配分しています。
 で、先日のことです。「情熱のバラ」というアイテムをゲットしました。「ひらめきフロー」に花の形の空きがあることは気づいてましたので、ああこれねと、すぐジェスターに使用。
 と、「二人のパッション」という技を閃きました。説明を見ると、「ジェスターとキサラの愛のパワーでなんとかかんとか」と書いてある。
 あのですね。
 わたしは進行が遅いので、この二人はまださほど親しくなってないんだよね。

 いきなりそんなこと言われても(汗)。

 もうちょっと手順を踏みましょうということで、この技は当分のあいだ封印。
 その後、3つのピースを集めまして、で、ゼグラムさんに盗まれました。
 そのあとのイベント戦闘を経て、彼を使う場面に。

 ゼグラム、バトル開始10秒で死亡。

 ちょっと待ってよ〜(泣)。使い慣れてないんだからさ。
 もちろん、問答無用でゲームオーバー。直前のイベント戦闘からやり直し。
 潔いゲーム構成の悲劇です。
 仮面を取ったシードの顔には驚きましたね! ゼグラムさんは彼の顔の元になった人物を知っているような台詞があり(何かの伏線?)、それはそれで気になるのですが、それ以上にビックリ仰天。

 この人、「夜王」のキャラですか??

 昨今、ゲームキャラの世界にも勢力を広めつつあるホスト顔
 わたくし原作は知らないのですが、あの北村一輝さんが主人公のライバル役だというので、ドラマの第1回をチラッと観たのですよ(いやもう相変わらずテレビじゃもったいないほどのオーラでしたね♪ さすが宇宙人)。
 さて、どうでもいいようなことですが、わたくしも言葉を使うことを生業にしておりますので、あのシーンでひとつ、気になる部分がありました。
 ゼグラムさんには愛する女性がいて、彼はその人のためにいろいろと怪しげな動きをしていたらしいのですね。それは大いにけっこう。
 でも、あのシーンで敵方のダイトロンのボス、しかもあのビジュアルのキャラ(人間離れ度合いプラス150ぐらい。映画『砂の惑星』にああいうキャラが出てた)、輪をかけてゼグラムもあの風貌(荒んだアントニオ・ヴァンデラスにラリッてるジョニー・デップを足して2で割り、少々煮詰めた感じ)で、ああいうやりとりしてるときに。

 「恋人」って言い方はないんじゃない(笑)?

 やっぱあの台詞のなかでは、「女」というべきじゃないですか。「オレの女」。
 まあ、女と書いて「スケ」とルビをふれとまでは言いませんが。
 ダイトロンのボスが言う場合には、いんぎん無礼に「あなたの想いびと」とかね。「恋人」だと、ちょっと――ケツが青すぎ♪
 言葉はいきもので、扱いが難しいという自戒を込めたお話でした。

 ちなみに、うちのパーティでいちばん強いのはスティーブです。お役立ちロボットさん♪
 便利に使いつつラビリンスに行きまして、巨大なゲソと戦い、イベントを見て驚きました。

 ロボットさんも、嘘をつく!

 スティーブじゃなく、別のロボットですが。なるほど、そのようにプログラムされてればそのようにするのがロボットなので、よく考えれば不思議はないのですが。
 でも、新鮮でした。どうなるんだろ、この話。

◆ゲーム女は気がつきました
 ロボットさんが嘘をつくのが新鮮だと書きましたが、何でそう感じたのかなぁと、自分でもしばらく気になっておりました。
 で、耐震偽装問題の証人喚問の様子をテレビで観ていて、ふと気づきました。
「ラビリンス」で会ったあのロボットさんに「お!」と思ったのは、彼が嘘をついたからではなくて、ついた嘘がバレたら「あ、バレてしまった」と認識し、彼の嘘を嘘と見抜いた相手を抹殺するべく攻撃してきたからなんですね。
 これは凄いことです。人間しかやらないことです。
 もし本当にここまでやれるロボットを作れちゃったら、怖いだろうなぁ。それこそ、アルフレッド・ベスターの傑作「ごきげん目盛り」に登場するロボットみたいになる危険性があるですよ。情動を持ってるってことですものね。う〜ん。

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■厨子王の逆襲 〜京極夏彦のコーナー

◆DVD
 妖怪大戦争のDVD発売が近づいてます。店頭にはタダシPOPが聖剣を構えてます。凛々しいです。
 ご注文された方、もう少しお待ちください。節分発売です。
 ご注文されてない方、ぜひ店頭でお求めください(笑)。
 でもって神木くんの背後に、黄色と黒のシマシマのでっかいディスプレイを見かける方も多いかと。
 タイガースじゃありません。はい。「ゲゲゲの鬼太郎 '80BOX」の店頭ディスプレイです。
 目立ちます。
 こちらはまだまだ予約受け付け中なんですね。さあ、どんどん予約しましょう。ちょっと高いんですが、無理しましょう(笑)。なんたって全話収録ですから。
 第三期の鬼太郎は勇ましいですし。懐かしいと思われる方も多いでしょうし。
 いや、モニタに映ってる鬼太郎を見て、無性に観たくなっちゃったり。そこでビデオ観ちゃったりするとアレなので、ぐっと我慢して発売を待ちます。
 みんなで唄おうゲゲゲのゲ。

 DVDついでに。
 新Mr.BOO!&マイケルホイBOXを堪能しまして。吹き替えが広川先生じゃなかったんですが、それでもホイはいいわけで(広川版が存在する「お熱いのがお好き」は日本語版を入れて欲しかったですが)。
 あー、ホイ。
 観終わって、まだ足りなくて旧作も観て、それでも足らずに「新世紀Mr.BOO!」というのを買ってきまして、これも観ましたお正月。
 これは違う役者さんが演じる「Mr.BOO!」のリメイク。旧作の名場面の再現+ハリポタがだいぶ入ってます(笑)。ハミー・ポッポーだし。
 で、ぜんぜん違う人が演ってるんですが、吹き替えは広川先生しかも新録。あー、健在だ。
 と、思っていたら最後の最後に本家マイケル・ホイが特別出演(魔法学校の校長役!!)。
 で、もちろんホイも広川先生(笑)。広川VS広川。わははははー。それでサブタイトルが「ホイさま神さま仏さま」なのか。
 でもやっぱホイ×広川がしまりますな。あの顔にはあの声です。

 あ、いままでソフト化されてなかった(たぶん)ラム・チェンインの「霊幻道士・キョンシーマスター」(テレビ版の第一シリーズ)もBOXで出ました。こちらはもちろん吹き替え青野武さんでマル。
「来来キョンシーズ」「幽幻道士」BOXも昨年出ましたし、これでキョンシーも安心。(ん、映画版霊幻道士の3/4/5は出ない……んでしょうな)。

 でもってミヤベさんが「サムライ7」を貸してくれたので、これから観ます。

 あ、僕の場合DVDがかかっている=働いてるなので、ご心配なく(笑)。

 書くことないのでこんな話ばかり(笑)。

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■編集者Sのウラ情報

 新春恒例は「大極宮フェア」だけではありません。芥川・直木賞が今年も決まりました。両賞とも何度か候補になっている実力派が堂々の受賞。とくに東野圭吾氏の作品は年末ランキングぶっちぎりの1位で、ここまで相当部数売り上げているだけにこの受賞でどこまで伸びるか楽しみではあります。
 また東野氏は作品数も多く、立て続けに映像化されるなど書店店頭が東野祭り一色になりそうでミステリージャンルとしては喜ばしいことなんですが、大沢新刊「魔女の笑窪」や「大極宮フェア」が霞んでしまわないよう、みなさんよろしくお願いします。(特に文藝春秋……、S)

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■まるひの秘書ヒショバナシ

◆今週の厨子王原稿メール件名 (これまでの歴史は→コチラ
 ハリセンボンの逆襲
 新宿赤マントです! 週刊文春の超ロングラン連載エッセイです。私も毎週読んでます。椎名誠さんもしっかり逆襲なさっていたんですねー♪

 うは、大極宮フェア2006のページを作っただけで今週はチカラ尽きてしまいました。情けないっすー。ううう。
 そんなわけで、写真を貼ってごまかしておこーっと。
 題して「今週のバニーちゃん」

少しは笑うとか…

 ぜんっぜん! マッタク! カワイゲがないのは仕様です。わはは。

 本当はもっと可愛いバニーちゃんやメイドさんの写真(大沢オフィス忘年会風景)を載せる予定でしたが、来週に回します。お楽しみに〜♪

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■ノリノリ編集後記

 ウインクリューガー号、17連敗。は、さておき…、つい最近知ったことですが、中央競馬で「ブレイブストーリー」号が走っているんですねぇ。牡の3歳。馬主は日本を代表するオーナーブリーダーであり、ノースヒルズ代表の前田幸治氏。かなりの大馬主さんで、現役ではゴールデンキャスト号が有名。「ブレイブストーリー」号の名前の由来に宮部さんの書いた小説はまったく関係ないと思うけど…知ったからには気になります。
 で、戦績を調べると…7戦全敗。すべて着外(6着以下)。おいおい。厳しいですなぁ。でも、昨年の7月デビューから休むことなく毎月走っているのは立派。足元が丈夫であれば、いずれ成績も上がってくるかもしれません。僕が一口出資している2頭の3歳馬はともに剥離骨折やらなにやらで、いまだデビューできていませんから。このブレイブストーリー号、夏の映画公開日あたりに勝つと、注目されるかもしれませんね。ただし、そこまで未勝利だと現役続行は厳しいかもしれませんが。
(今週末はリゲル号復帰。ヤケクソで単勝勝負…ノリ)

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■アンケートから (兼 間違いさがしコーナー

◆こんにちは。
いつも楽しく拝見させていただきます。
質問があるのですが、1月17日放送の「らんぼう」についてなのですが、テレビの予告で大沢先生の名前を「ありまさ」ではなく「ざいしょう」と読まれていたのですがなぜでしょうか。私が間違っていたのかと思い先生の著書を取り出して確認したのですが。教えてください。(他多数)

風のウワサにもなっていますが…。予告が作られたことすら誰も知らなかったので、どうしてなのか私たちにもわからないんですー。放送前日にたまたま予告を観たノリノリもビックリしてました。訂正をお願いするには遅すぎるタイミング(笑)。
まあ、親しい人から「ざいしょう」と呼ばれていたりするので、大沢本人は全然気にしていませんでしたけどね。(まるひ)


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下の方でコッソリ
【厨子王原稿メール件名の歴史】

◆新章突入! 本当にあった"逆襲"シリーズ(仮) 第206号〜

大魔神逆襲
 → ゴジラの逆襲 → メカゴジラの逆襲 → キングコングの逆襲 → 北京原人の逆襲 → スケバン刑事風間三姉妹の逆襲 → スターウォーズ帝国の逆襲 → ウルトラQ・ガラモンの逆襲 → ウルトラQ darkfantasy・ガラQの大逆襲 → 亜空間要塞の逆襲 → 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア → フランケンシュタインの逆襲 → 八岐之大蛇の逆襲 → 十津川警部の逆襲 → 虚航船団の逆襲 → 笑犬楼の逆襲 → 劇場版スタートレック2 カーンの逆襲 → 劇場版クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲 → スネークマンショー ピテカントロプスの逆襲 → 劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲 → ヴァンパイヤー戦争7 蛮族トゥトゥインガの逆襲 → バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲! → 地底人の逆襲 → ゲゲゲの鬼太郎第三部 妖怪天狐地底王国の逆襲 → ゲゲゲの鬼太郎第四部 逆襲!妖怪さら小僧 → トンデモ一行知識の逆襲 → MOTHER 2 ギーグの逆襲 → 火星人類の逆襲 → アラジン ジャファーの逆襲 → 化石人間の逆襲

 

◆旧シリーズ
「更新原稿」をいろいろ変えて遊んでみよう♪[第132号〜第195号]

更新太郎。 → こうしん太郎。 → 高信太郎。 → 香辛料。 → 甲府信玄公。(この133号あたりで件名を本格的なコーナーにされてしまうカワイソウな厨子王) → 子牛ん〜健康です。 → 庚申。元寇。 → 孔子に兼行。 → 乞う、青梗菜。 → 交趾(コーチン)。鬱金(ウコン)。「辛いなあ喰いもんネタ(笑)」というグチつき → 護身拳骨。 → 誤診現行犯。 → 小普請剣豪。 → 子負う繁子。 → こう、おしん激昂。 → 往診変更。 → 孝心言行。 → 恒心儼乎。 → 格子に拳固が。 → 誤診原告。 → (グレイと)交信。(UFOが)減光。説明付き。たまにはこうい(151号でこの件名の続きを皆さんから募集して大盛り上がり!) → 香辛料減量。 → 甲信越へ行こう。 → 荒神信仰。 → 降神、玄黄。 → コーリンえんぴつ。 → 降雨。震源。こ……うッ。 → 「コウ!」「シン? 元気?」「おう」 → 光線銃携行。 → 孝心儼乎。(孝心も儼乎も二度目の登場と、まるひにツッコマレル) →  前回のタイトルは急いでいたので一発変換だったわけです(笑)(言い訳キター!) → 工賃、下向。 → 浩二、けん、コウ(芸能人シリーズスタート?) → 工事・拳・豪 → 放心、テンコー → ちょうちんあんこう → 甲信越先行 → 古神に献香 → 降雨シーン、現場はこう…… → 懇親励行 → 殺しで連行 → 抗菌テント → GO! 真剣、GO!!(横文字初登場) → こう、芯がゲル状。 → こ、悪心、下戸。う。 → 麹、発酵。 → ここ押し。ん? 弦を、こう…… → 古址近郊 → 光子力ビーム!! → 等身大線香 → 拘禁連行 → 狂信勤行 → 高知、雲仙、甲府 → もう死んでんだろう? → 乞う。真剣若人 → 発疹侵攻 → 病身不健康 → ここ、よし、ビンゴ!(終了)

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