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 第102号へ 第103号 2003.4.25 第104号へ 
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▼山椒大夫 ▼安寿 ▼厨子王

▼編集者S ▼まるひ ▼ノリノリ ▼アンケートから

■HEADLINE RUMORS 〜 風のウワサ


◆六本木ヒルズのオープンに、大喜びのオフィスのスタッフたち。(山椒大夫も"地雷也"の天むすが買えると知って嬉しそう)

 
■燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー

◆緊急合宿決行!
全国約20名の"大沢在昌ダイエットはどうなっているのか?"ファンの皆さまにいよいよ朗報です。
今週より2003年第1回ダイエット合宿に突入します。
GWの前半を勝浦で過ごし、新連載『ニッポン泥棒』の原稿を書きながらの決行。限界体重を1.5キロほどオーバーしているので、とりあえず3キロほど締める予定。
本格的なダイエットは6月にやるつもりで、もう3キロ締めて最終的には計6キロが目標。
しかし出鼻をくじくように予報では天候がいまひとつ。
ノリノリは、雨が降ったら部屋でアブスライダーでもやればといっているが、それを持っていくのもどうか…
(持ってないけど)。とりあえず勝浦近辺でウオーキングと筋トレに励もうと思っている。
GW後半はゴルフ合宿の様相をていしてきた。ダイエットがスコアに結びつけば良いが。
様々な結果についてはGW明けにご報告させていただきます。

◆というわけで…
新連載の題字。
お忙しい京極画伯に8枚も書いてもらった結果…
『ニッポン泥棒』とカタカナバージョンに決めました。


コレに決まり



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■安寿のがまぐち 〜 宮部みゆきのコーナー

◆ゲーム女の生きる道
『エターナルアルカディア レジェンド』クリアしました!
 ラストバトルに連れてゆく4人目を誰にしようか、最後まで迷ったのですが、やっぱりエンリック殿下に来てもらって、最初から最後までエスクードをかけまくっていただきました。
おかげさまで楽勝♪ ラミレスよ。あんたより、おたずね者たちの方が強かった。というか、おたずね者退治で鍛えられたおかげで、ヴァイスたちが成長してたのねー。
直前のファイルを残してあるから、ギルダーさんでもドラクマ船長でも、ラストバトルをやり直すことができます。
全部のパターンを試してみよっと♪
 ラストバトルでも、ちゃんと砲撃戦があるのは嬉しかったですね。
アトランティア大陸領空に入った途端に出てくるガーディアンがいますよね、あれをちゃんと倒しておくと、なんと! 防御力500という夢のような船装備「きらめく装甲板」が手に入っちゃう。そうすると、「無にして全なる」銀のギガスもぜーんぜん怖くないのがステキ!
 しかしなぁ……「無にして全、全にして無」って、作家にとっての「締切」みたいなものですね。
ううう、現実に戻ってしまうぞ。

 さて、雑誌「ゲーム批評」の取材で、ゲームクリエイターの米光一成さんにお目にかかりました。米光さんは、あの『ベストセラー本ゲーム化会議』のメンバーのお一人。
こちらの都合で時間が限られていたのが残念だったのですが、面白いお話を伺うことができました。ぜひともまた、別の機会にゆっくりお話できると嬉しいです。
 で、その折、米光さんから、ご自身の作品である『バロック 歪んだ妄想』を頂戴いたしました。
攻略本マニアの宮部のために、『バロック ワールドガイド』まで一緒に持ってきてくださったんですよ。ありがとうございます!
大喜びで、帰宅してすぐページをめくってみると――
 こ、怖い。
 すごく怖いのだ! 設定画のすべてが、尋常ではない美しさと恐怖に満ちているのです。いったいどうしたら、こんな凄いものをイメージすることができるのでしょう。ぶるぶる震えつつ深く感服。早くプレイしたいけど、おっかない。
裏腹な気持ちに引き裂かれる宮部なのでした。

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■さまよう厨子王 〜 京極夏彦のコーナー

◆本が。
「高い、高い」という声を最近よく耳にします。何がって本が。
確かに本は高いのですが、それは今に始まったことではありません。
本は昔っから高かったですよ(笑)。
戦後の物価の変動の中で見れば、あまり変わっていないと考えるべきかと。
例えば昭和26年、一般国家公務員の月給の基本ベースが7981円。
当時の広辞苑は900円。コーヒーは一杯30円強。
現在、月給が何千円ってことはないですが、広辞苑は3500円くらいでしょ。
世相を反映して上下こそしますが、書籍の価格はびっくりするほど変わってはいないのです。
この安定を出版社の企業努力とみるか、怠慢ととるかは立場によって変わるのでしょうが(笑)、少なくとも「最近になって高くなった」という事実はないようです。

いや、高かったですよ昔から。僕も昔はご多分に漏れず赤貧の学生でしたから。
本を買うのは大変でした。爪に火を灯し血の涙を流し(笑)、辛抱し我慢し努力して買ったものです。
いや、学生時代つうのは親に依存して生活してる訳で、買ったというのもおこがましい話なんですが、それなりの苦労はそうとうにあった訳で(笑)。
早く自分で稼いで気兼ねなく本を買いたいと思ったものです。
社会人になってからは、もう食事を抜いて残業を増やしてアルバイトをして、体重を減らし血のにじむような思いをして(笑)買ったものです。
家族ができてからは、収納も含めて家族にだけは迷惑かけないように心がけましたが(本好きの最低限のマナーですね)。
いずれにしても僕が本に払った犠牲は大きいわけですね。
でも「高いなあ」とは思いましたが「金返せ」と思ったことはただの一度もありません。
本は高いですが、価格以上の価値があるものだと信じておりました。むしろ高くてあたりまえだ、と考えていましたね。
実際、本は僕に支払った金額以上の収穫をもたらしてくれたわけで。
ゲームやDVDと較べたってそう金額に差はないですしね。本の方がずっと豊かです。
本はただの情報ではありません。
単純にお金には替えられませんね。

それに、少部数しか売れない学術書や専門書、資料のようなものはどうしたって高くなってしまうわけです。
「高いなあ。ボッてるんじゃないの?」
「軽装版にして安く売れよ。装丁に金掛けてるんじゃないの?」
「最初から文庫にすればいいじゃん。学生が買うんだぞ」
「ボロ儲けしてるんだろ。きっと」
これ、全部間違いです。
そうした本は発行部数が少ない上に完売に近い数字が出ないと赤字です。つまり大抵は赤字。
造本コストを多少下げてソフトカバーにしたって、飛躍的に部数が伸びない限りは事情は一緒なんですね。
むしろ価格が下がった分たくさん売らないと元が取れなくなるので赤字は増すばかり。結局、軽装版にしても値段はそう変えられない。
それに文庫というのは「文庫を持っている大きな出版社」が出すもの。当然それなりの部数が見込めてはじめて採算が取れる仕組み。
特に学術系は親本が出ていればこその文庫です。
結局、ボロ儲けどころか、その手の本は出しても出しても儲かりません。一歩間違えば大赤字です。
出版社も、もちろん著者もまったく儲からない。これ、他業種では絶対に考えられない事業ですね。
ではなぜ出すのか。
それは「儲からなくても出す価値がある」と考えるからです。
つまり、その手の高価な本は平たくいうと「読者のために」出されているのです。
良心的な出版を続けている小さな出版社は、それはもう大変な思いをして、細々と「読者のために」良い仕事をしてくれているのです。
そのへんの事情は大手出版社でも変わりません。学術書や専門書つうのははそうしたモノなんです。
大手だって売れ筋の本ばっかり出してるわけじゃないですから。
出版というのは、本来企業メセナ的な性格を持った事業なんです。
     *
で、「売れない、売れない」という声も最近は聞こえて来ます。
でも、その手の本は昔っから売れないもんだったんですよ(笑)。
出版不況なんて出版バブルの後遺症みたいなものなのに、まだバブル時代のやりかたを疑わない困ったとこが困ってるだけ──という気もしますね。
売れる本を売れなく売って売れないと嘆くのはどうか。売れない本を売ろうと努力している人達だって昔からいるというのに。
売れないことを前提にしてずっと「高いが良い」本を出し続けている良心的な小出版社だってあるんです。
ただ、世の中全体の景気が悪いのは紛うことなき事実であって(笑)
不況の波は中小企業には容赦なくふりかかるわけです。いくら打たれ強くてもしんどいでしょう。
それでも持ち堪えていることろは偉いです。そういう良心的な出版社を僕は応援したい。ありがたいです。
頭は下がりますが、文句を言う気になんかなりません、僕は。
もちろん、中身について突っ込むのはいいことです。内容については何を言っても許される特権が読者にはあるわけで。
だから買わずに高いと文句を言わず、同じ言うなら買ってから内容について文句を言いましょう──と。
これが本好きとしての僕の意見ですね。だって、つぶれちゃったら本出してもらえなくなっちゃうんですから。
困りますよ、それは。高いだけなら努力すれば買えますが、出なくなったらおしまいです。

今回は一介の書痴のことばのようになってしまった……。

◆次回予告。
なんと京都の山に怪しい暗雲が!
妖怪シンポジウムに集うの怪しい人影は何者なのか!
次回、日文件リターンズ、二週間後に報告。

と──この記事が更新された頃、僕はそこにいるわけですな。
まあきちんと更新されてれば、の話ですがね。
(↑余計なお世話じゃ:まるひ)

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■編集者Sのウラ情報

 しかし輝きを失ったゴールデン、ですね。ただの三連休、曜日配列は最悪、それにSARSですか。
ウチで大人しくしておれということですか。SARSが
出回り始めたころは、マジで化学テロじゃないかと思っておりました、ワタシゃ。こんなときこそ出版業界に身を置くものとしては、読書をお勧めしたいところですね。
でも出版が不況に強いといわれたのは過去の話。
それでも山椒大夫、安寿の新刊がお待ちしております。
おっともう一人、なんてツッコミはなしね。いま頑張ってますから。
 このあとは東京国際ブックフェアへGO。
(ブレイブ・ストーリー、秋に墓標を、読みかけのS)

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■まるひの秘書ヒショバナシ

タルタル(♀)で黒魔道士、なんていうヒッジョーに打たれ弱いキャラ設定で始めてしまった[ファイナルファンタジーXI]。
こりゃ先々ツライかも・・・と思っても、[ウルティマオンライン]みたいに気軽にキャラ削除して作り直すってわけにもいかないようで・・・
タルタル以外の種族の人たちが、皆デカくて強そうに見える中、地道に"楽な相手"だけにちまちまケンカ売ってます。それでも"防御力が高い"モンスには大苦戦します。"丁度いい"ヤツはちっとも丁度よくないので、パスパスパス・・・ううう。
私よりも先に始めた友人の言うところでは「最低でもレベル10になってもらわんと、あんたとはパーティ組めないぜよ」だそうで。
[FF XI]の醍醐味、パーティプレイが楽しめるまでには、かなり時間がかかりそうな予感。(てゆーか、ゲームシステムそのものが、まだよく理解できていないカモ)
でも、さすがさすがグラフィックの美しいこと!
朝・昼・晩、時間の経過とともに刻々と変わりゆく空の色、雲の流れ、夕焼けの赤、月と星が輝く夜空、朝もやに包まれる大地・・・そんな景色を眺めながら、トテトテ走っているだけで楽しい♪
なんじゃちっともわからんぞ、タルタルって何さ!という方は
FF XI 公式サイト の「FINAL FANTACY XI とは」とか「ヴァナ・ディール ガイドブック」をご覧くださいませ。かなーり重いですけど。

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■ノリノリ編集後記

山登りに四国に行ってきた。今回はひとり旅。気楽で良かった。
マイペースで登れるし、気が向いたときに温泉に入れるし、好きなものが食えるし…時間に縛られないのはいいねぇ。
それに料金も安く済んだ。
航空券はJALのバーゲンセールで片道9,300円。安い! 航空券は定価で買うのがバカバカしくなる。
それに付随してレンタカーも安かった。宿もリーズナブルなところ。
今週末もバーゲンセールで田舎に帰省する予定。法事に出るのが目的だが、遠足で登って以来の「三瓶山」を縦走してみようかな。
(まさか…加藤大治郎。ご冥福をお祈りします…ノリ)

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■アンケートから はスタッフのコメントです)

【クイズじゃないけど・・・】

◆山椒大夫がどの標題を選ぶか、クイズではないと分かっていながらそれでも解答してしまいます。
上段、右端に1票!

◆大沢在昌氏の新連載のタイトル文字ですが、どれも素敵ですね。
個人的意見を申し上げますと、上の段の左から二番目と、下の段の一番左の文字が好きです。
上の段の文字は何となく気に入ったのですが、下の段の文字は『泥棒』の『棒』の字がびよーんと伸びている辺りが気に入りました。

てゆーかですねえ、拡大ページのカタカナバージョンの並び方が、めちゃくちゃ違ってたということに、今頃気がつきました。わははははっはっは。
(もちろん、こっそり直しましたいつものように)

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